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コング君と夜の街の住人とハゲストーカー

皆様、ブックマーク・評価ありがとうございます。感謝です!


それでは、本編どうぞ♪




 《須佐視点》




 交番を出て、繁華街に入るとキレイなネオンと、お店の灯りが辺りを照らし活気があります。仕事帰りのサラリーマンやOLさんが居酒屋に、塾帰りの学生さんが喫茶店やファミレスに、これからお仕事なのか、ちょっと派手目なお化粧をしてるお姉様達、それを迎える強面(こわもてなお兄さん達、色々な人が色々な表情で行き交います。


 「コングさんお疲れ様っす!」

 「お兄さん達もお疲れ様です!暖かくなってお外のお仕事も幾分楽になって良かったですね。」


 繁華街を走ると、よく呼び込みのお兄さん達に挨拶されます。こんな高校生に挨拶してくれる何て良いお兄さん達です。


 「まったくその通りっす。今の時期は新人の歓迎会が多いから稼ぎ時何で暖かくなって良かったっす!」

 「ハハハッ。お体に気をつけてお仕事頑張って下さい。」

 「ありがとうございまっす!」


 良い人だなあ。


 「コングちゃんじゃない♪トレーニング?頑張ってるわねぇ♪」

 「こんばんは!お仕事お疲れ様です!銀次さん!」


 この人は大間(おおま 銀次(ぎんじさん。この繁華街でお店を経営してます。


 「あら、ローズって呼んでっていつも言ってるじゃない♪コ・ン・グ・ちゃん♪」


 ・・・まぁ、そういう事です。ねっとりとお尻と股間を見られるので背筋(せすじがぞわっとなって、きゅっ!って縮こまります。何がとは言いませんが。


 「あは、あはは、ろ、ローズさん、そ、それじゃ失礼します。」

 「うぅん、もう♪コングちゃんのいけず。」


 早く立ち去ろう!貞操の危機です。


 「あぁ!コング君♪こんばんわー♪」

 「あぁ、こんばんは!お姉さん達。お疲れ様です!」


 今度は綺麗なお姉様達が声をかけてくれます。みんな優しいです!


 「コング君、大人になったらお店にきてね♪お姉さん達がお酌してあげる♪」

 「ハハハッ!その時は是非、お願いしますね。それじゃ!」


 ありがたいんだけど、唯さん達が


 「大人になったら私達がお酌するから、変なお店に行っちゃダメ!」


 って言ってるから多分行けないんだよね。唯さん、怒ると父さんより恐いからなぁ。父さんが結婚前、何か夜遅く帰ってきた時は父さんを投げ飛ばして肘を極め土下座させてお説教してたからなぁ。・・・父さんが『唯を怒らせちゃいけないぞ!怒ると俺より強くて容赦ないからな。』って言ってました。


 「おーい!須佐くんじゃないか!久しぶりだなぁ!」

 「あっ!お久しぶりです!秀斗(しゅうとさん!日本に帰ってきてたんですね!」


 この、黒髪でいかにも頭が良さそうな眼鏡のイケメンさんは、

内田(うちだ 秀斗(しゅうと」さん、幼なじみの才斗の5つ上のお兄さんです。兄弟揃ってイケメンなんですよ。遺伝子ってすごいですね。


 「あぁ、またすぐにブラジルに行くけどね。才斗と仲良くしてくれてるようで嬉しいよ。才斗も、私がいない時に妻の久美(くみの所にミクちゃんと来て色々手伝っているようでね、助かっているよ。」

 「久美さんには僕たち、勉強を見てもらったりしてましたからね。才斗とミクも久美さんになついていますから。それより、新婚早々海外に単身赴任では秀斗さんも大変ですね。」


 秀斗さんは去年の2月に幼なじみの「宮村(みやむら 久美(くみ」さんと結婚されたんだけど、すぐに海外にお仕事に行かれました。元々の予定だったそうなんですが、3、4ヶ月に数日だけ日本に帰ってくるそうです。


 「なぁに、仕事は好きだし、サラリーマンとはそういうものさ。それじゃ呼び止めてしまって申し訳なかったね。トレーニング頑張って!」


 バシッ!っと僕のお尻を叩いて秀斗さんは、同僚の方と肩を組んで夜の街に消えて行きました。元気そうで何より、しかし新婚で旦那さんが単身赴任じゃ久美さん寂しいだろうなぁ。才斗とミクが気を効かせて久美さんの所行ってるみたいだなぁ。たまに久美さんも才斗とミクと家に遊びにくるからご馳走つくってあげよう!うん。




 繁華街を抜けて、ようやく史跡公園です。この公園はかなり大きな公園で、街灯もありトイレも綺麗で、遊具何かもあって緑豊かな公園です。だけど、夜はあまり人が来なくて、静かな公園です。たまに、タヌキがいたりします。どこかに巣があるんでしょう。公園の西側の小高い山が「神原(かんばる城跡」になります。お城の石垣だけが残っていて、山の上に神原神社が建っています。かなり急峻な階段なので良い運動になります。今日はお客さんがいるので山の上に行くのはやめときましょう。山の上は、木々の合間から大城の街並みが一望出来るので夜景も綺麗だったりします。また今度、行きましょう!


 さてと、自販機で水でも買って水分補給しましょうか。公園の入口を入って右側に少し行くと、赤い瓦屋根の休憩所があります。夏になると休憩所の前にある噴水に小さな子供達が集まって水浴びをしています。まだ、今は冷たいので子供達も来ません。

 休憩所の入口に自販機が3台設置してあって、1つはアイスの自販機。残りが飲料の自販機。よく目にする赤い自販機と青い自販機です。昼間は自販機の横に鯛焼き屋さんが来ていて、頑固なおじいちゃんが鯛焼きを作って、おばあちゃんが売っています。ものすごく美味しい鯛焼きで、たまに無性に食べたくなります。今度、また買いに来よう!

 

 「キャー!!やめてぇ!誰かぁ!」


 女性の悲鳴!休憩所の方だ!のんびり歩いてた僕は、スイッチをONにしてダッシュです!・・・見えた!濃い色のスーツを着て眼鏡を掛けた頭髪の薄い・・・もといハゲてるおじさんが、倒れている女性に近寄って行きます!その手には包丁が!


 「うへうへうへ、ジェニーちゃんはボクのもの、誰にもあげないから!うへうへうへ。」


 そう言いながら、男は刃物を握り女性に振り下ろします!

 ガシッ!


 「うへ?」

 「ふぅ、おじさん何やってるんですか?」


 間一髪、僕は男と女性の間に入り、男の両手首を握って捕まえます。


 「な、な、何なんだなキミは!ボクの邪魔をしないで欲しいんだな!ジェ、ジェニーちゃんとボクの間に入るんじゃないんだな!」

 「刃物持って女の人が叫び声をあげれば普通、間にはいるでしょ!」


 この男の人はおかしな事を言いますね。当たり前でしょ!


 「う、うるさいんだな!ジェ、ジェニーちゃんを殺してボクのものにするんだな!じゃ、邪魔なんだな!どっかいけ!なんだな!」

 「そんなの聞いて行くわけないでしょ!・・・お姉さん大丈夫です・・・か?!?!ふえ!?」


 まったく話にならないおじさんを捕まえたまま後ろで倒れているお姉さんを見ると、はだけたキャミソールからおっぱいが丸見え、めくれたスカートからおパンツ様も丸見え!眼福です!


 「えっ?キャッ!」

 「ありが・・・じゃなくて、す、すいません!・・・は、早く隠して下さい!・・・これ着て下さい!」


 僕はそう言いながら白のトレーニングウェアの上着をお姉さんに渡します。


 「・・・もう大丈夫です。・・・あ、ありがとう。」


 ちょっともったいな・・・いやいや、お姉さんの方を見ながら心を落ち着かせて話しかけます。


 「お姉さん、この人はお姉さんの彼氏か何かですか?」

 「ちっ、違います!この人は私のお店に来る常連です。」

 「違うんだな!ボクはジェ、ジェニーちゃんを愛してるんだな!いつでも一緒なんだな!住んでるところも知ってるんだな!今日、何時に起きて、何を食べて、何回トイレに行って、誰と話してるかも知ってるんだな!今日のブラとパンツの色もどこで買ったかも知ってるんだな!」

 「ひぇ。」


 お姉さんは真っ青になってガタガタ震え出します。


 「毎日、帰宅と同時に電話を掛けてあげるんだな!寂しくないようにボクのものを写真で撮って贈ってあげてるんだな!忙しいジェニーちゃんの為に合鍵を作ってお部屋で料理を作ってあげたんだな!」

 「あ、あれは、あんたの仕業だったんだ!番号替えても写真が送られてくるし、無言電話も毎日くるし、家に帰ると臭い物がお皿にのってて吐きそうになるし・・・いい加減にして!」


 臭い物って何だろう?料理じゃないよね?


 「そ、そんなこと言わないで欲しいんだな。わざわざ料理したんだな!」


 残念!料理だった!


 「私は彼氏なんかいない!あんたなんか彼氏じゃない!このストーカー!ハゲ!変態!ハゲ!ハゲ!ハゲ!ハゲ!キモい!ハゲ!ハゲ!ハゲ!ハゲ!ハゲ!ハーーーゲーーーー!!」


 おぉ、見事な言葉のマシンガンですな、おじさんがかなりのダメージを受けてます。・・・しかし、やっぱりストーカーだったか。そうなんだよね、おじさんはハゲでちっちゃくてお腹が出てて、しかもえーとブタ?・・・個性的な顔立ちをしていらっしゃる、イメージ的にファンタジーに出てくるオークを、縦にぎゅって縮めた感じかな?かたやお姉さんの方は街で見たら10人中10人が振り替えるほどの美人さんで、金髪のロングの髪、決して大きくないけど形の良い胸、くびれた腰、ほどよい大きさのお尻、細い脚、まるでスーパーモデルさんです。


 「わかりました。ちょっと電話しますね?」

 「ど、どこに電話するんだな?」

 「えっ?知り合いのお巡りさんですけど?」

 「け、警察は関係ないんだな!こ、これはジェニーちゃんとボクの愛情の行き違いなんだな!呼ばないで欲しいんだな!」


 何だ、自分が悪いことしてるってわかってるんですね。この人は。


 「お姉さん、呼んでも良いですよね?婦警さんにも来て貰いますから。」

 「お願いします!」


 そうだよね。呼びましょう。・・・さっき会ったばっかりだけど、まだ交番に居るかな?


 「まっ、待つんだな!お金を出すから呼ばないで欲しいんだな!」

 無視、無視♪

 

trrrrrrrrr


 「あっ!もしもし?寺嶋さん?・・・今ね、史跡公園にいるんですけど、女の人を襲ってたストーカーを捕まえたんで来てください。・・・はい、えーと、休憩所の所です。・・・はい、待ってます。・・・あっ北島さんにもきてもらって下さいね?・・・当たり前でしょ!被害者は女の人何だから!そんな恐い顔のお巡りさんだけでどうすんですか!・・・そうです・・・ええ、待ってます。」

 「あ、あの?」

 「今から、大城署のお巡りさん達が来ますので待ってましょう。・・・たてますか?」

 「は、はい・・・あ、痛!」

 「大丈夫ですか?」

 「はい、足首をひねったみたいで・・・」

 「あぁ、じゃあそのまま座っていて下さい。」

 「すいません・・・」

 「大丈夫ですよ。」


 足首か・・・倒れた時かなぁ。

 

「そろそろはなすんだな。」


 捻挫かなぁ。こんな暗い所で男の人に襲われて怖かったろうに


 「おい!はなすんだな!無視するななんだな!!」

 「うるさいですよ。このままお巡りさんが来るまで離しませんからしっかり反省しなさい!」


 少し地面から浮かしてあるから逃げれませんよ?


 「こ、この!なら喰らうんだな!ボクのキックを!」

 

 スカッ


 両腕を真っ直ぐ水平に伸ばしているから、ちっちゃなおじさんの足は届きません。


 「おとなしくしなさい!さもないと・・・このまま回りますよ?」


 そう言いきって僕はその場でゆっくり回り始めます。もちろんおじさんは僕が掴まえてぶら下がったまま、逆ジャイアントスイングです!


 「待つんだな!ま、待って!早くしないで!体が水平になる!や、やめて!肩痛い!腕痛い!待ってぇぇ!」

 「おとなしくしますか?」

 「うぇ、は、はい。」


 あっ・・・唯さんに遅くなるって電話しないと!


 trrrrrrrrr


「あっ唯さん?ちょっと今から事情聴取になると思うので帰り遅くなります。・・・えぇ、変質者を捕まえてるんで。・・・被害者の女の人は足首をひねったみたいで・・・えぇ、すいません、理穂さんに帰ったらお酌しますと、はい、おつまみ足ります?・・・ハハハ、帰ったら作りますよ。卵焼きですね?・・・甘いのですね?わかりました。じゃあそろそろ寺嶋さんが来ると思うので、はい、はい。失礼します。」


 これでよしっと。遅くなる時は連絡しないとです。

 おっ!きたきた!


 「おーい!寺嶋さん!北島さん!こっち!こっち!」

 「おー!コング君お疲れ様!こいつかい?」

 「えぇ、お願いします。」


 おじさんを寺嶋さんに引渡し、肩を回します。


 「ふひぃ、ちょっと肩こったなぁ。」


 首を回してと、帰ったら露天風呂入ろ♪


 「じゃあコング君いつものように悪いけど調書つくりたいから付き合ってくれ。」

 「了解です。」


 ちらっと見ると、被害者の女の人は、北島さんに肩を借りて立ち上がったんだけど・・・痛そうです。


 「大丈夫ですか?」

 「痛!だ、大丈夫です。お店に一度顔を出さないと・・・」


 足首を見ると腫れてます。


 「お店?にどうしても行かないと行けないんですか?」

 「は、はい、報告とか・・・色々あって」

 「お嬢さん、店の名前は?」

 「ナイト・シンデレラです・・・」

 (星城会がやってるソープランドか・・・確かあそこの支配人は益男さんの弟子だったな。)

 「コング君、悪いんだけど彼女脚がこんなだからさ、そのお店まで連れていって、その後交番に来てくれる?2人で。」

 「えっ?いいですけど。北島さんもついて来て貰えますか?僕ひとりだとこちらの女性も不安でしょ?」

 「そ、そんなことないです!でも良いんですか?」

 「大丈夫ですよ?寺嶋さんにお駄賃貰うし。」

 「ゲッ!な、何を欲しいのかな?コング君?」

 「ここでやってるおじいちゃんの鯛焼きをアンコで10個!」

 「くっ、了解だ!そのかわり腕立ての数を・・・」

 「それはそれ、これはこれ!あっ!北島さんのもです!」

 「ぐぅぅ、了解だ。・・・じゃあ頼んだ。このハゲは署に連れてくよ。」

 「ヤッフゥ!了解でーす!鯛焼き♪鯛焼き♪・・・さっ、お姉さんは、はい!背中にどうぞです♪」

 「は、はい。」


 お姉さんは僕の肩に手をついて、おんぶです。おっ!おっぱいが背中に当たって・・・いかんいかん!心頭滅却!この人は被害者この人は被害者この人は被害者!静まれ我が愚息です!


 「・・・いいなぁ、おんぶ。」


 何か北島さんが小声で言ったけど何かな?


 「?どうしました?北島さん。」

 「いえ!何でも!」

 「?・・・それでは行きますね。北島さんもよろしくお願いします。」

 「了解よ。よろしくね、須佐くん。」

 「あの、お願いします。」 


 さぁ、お姉さんのお店に行きましょうか。





  

皆々様お読みいただきありがとうございました!

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