コング君と新人婦警とイタズラ警部
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拙い文ですがお楽しみ下さい。
それでは、本編をどうぞ!
《須佐視点》
みんながお風呂に入っているうちに大皿におつまみ用意しとこ♪唐揚げよし!フライドポテトよし!楓ちゃんのプレートにも入れたハンバーグよし!アスパラと鰆のバター炒めよし!レタスとトマトのバジルソースサラダよし!鶏ももとネギのマヨネーズ炒めよし!
さぁ持ってこ♪
「わぁ!すさくんまだおりょうりでてくるの?」
大量のおつまみに楓ちゃんが目を見開きます。あぁ、やっぱり多いかな?調子に乗って作りすぎたかな?
「楽しくて作りすぎちゃった。」
「ハハハッ、だいじょうぶだよっ!すさくんのおりょうりおいしいもん!」
そう言った楓ちゃんの特製プレートと特製パフェは見事完食です!その言葉に嘘は無し!嬉しい!
「ねぇ、すさくん。かえでもたべていい?」
「もちろんだよ!食べて食べて♪」
「わーい!からあげ♪・・・んっ!おいしい!」
何て良い子や(涙)おじ・・・お兄さんが何でも作ってあげます!
「ふぅ♪良いお湯だったぁ♪」
お風呂から皆さんあがったみたいです。ゆるっとした格好でお風呂上がりの火照った体、濡れた髪、美女のお風呂上がりは健全な男子高校生の僕にはかなり刺激的です!般若心経を・・・・もしくは円周率でも・・・
「須佐どうしたの?私達の姿に見とれた?」
「そ、そ、そ、そりゃ綺麗で美人で可愛い皆さんのお風呂上がりにドキッとしますよ!男子高校生なめないで下さい!もう!」
そう言うと、唯さんが顔を赤くして
「そ、そうか、か、可愛いか。あ、ありがと。」
唯さんだって充分可愛いですよ。いつもはカッコいいですけど、お酒呑むと可愛くなるんですもの。
「あれ?そういえば澪さんは?」
辺りを見回すと広間の隅の方に体育座りをしてユラユラ揺れながら闇を背負った澪さんの姿が・・・
「ど、どうしたんですか?澪さん?」
「世の中不公平だ・・・あんなに大きいのが6つも唯だって私より大きい・・・須佐くん・・・人間は平等ではなかったのか?」
「え、えーと?」
「くそぉ・・・須佐くんはどうせ大きい方好きなんだろ?」
「何の話です?」
他の4人を見て困惑している僕に桜さんがこそっと耳打ちしてくれました。
「胸のことです・・・」
あっ、良い匂い、桜さんの匂いだ・・・はっ!トリップしてる場合ではないです!胸?・・・4人を見て、澪さんを見て察します。あまりに非情な現実に澪さんが打ちのめされたことを!
「・・・澪さん。僕の持論で良ければ、胸の大きさに貴賤無しですよ?大丈夫ですよ。」
「じゃあ須佐くんは胸が小さくても平気?」
「はい、大丈夫です。」
「起つ?」
「ぶっ!は、はい。」
「ふーん。じゃあ良いや♪ごはん♪ごはん♪お酒♪お酒♪」
何なの一体?澪さんだって美人さんじゃない。気にする事ないからね。まぁ、コンプレックスは誰にもあるけど。
「見事です須佐、今回はかなりのダメージだったみたいですから。」
「何かあんまり釈然としませんが、まぁ元気になったのなら良いです。それじゃ走りに行ってきます。皆さんの布団はいつもの部屋にひいてありますので。」
さて、支度は出来てるから行くかな。
「あれぇ?須佐くぅん、お酌わぁ?」
「戻ってきたら、明日学校が休みだから付き合いますよ。」
「わかったぁ♪須佐くぅんいってらっしゃい♪」
「それでは行ってきます。楓ちゃん行ってくるね。」
「モグモグ、ひっふぇふぁっしゃふぃ。」
唐揚げを頬張りながら手を振ってます。唐揚げ気に入ってくれて何よりです!
門を出てさてと、準備運動してから今日はどうしよう。うーん、城跡の近くにある公園を目指すかな!
この街は大城市の名の通り、戦国時代の城塞跡があり、整備され史跡公園になっています。我が家からおよそ10キロ、往復20キロの道程。途中繁華街を抜けて行きます。何か警察の方々の希望でたまにそこを走って欲しいと言われました。うーん何で?治安維持に協力って言ってたけど意味がわかりませーん。僕は普通の高校生ですよ?
まぁ、そんなわけでルートも決まったから行きますか!往復一時間のランニングのスタート♪
・・・やっぱ気持ちいい!春になって良かったなぁ。真冬は寒風の中走るので気持ちいいではなく、ただ痛いのです!しかも父さんの教えで手袋無し!マフラー無し!ホッカイロ無し!その上大きすぎる体に寒風が直撃!吹雪いた時は地獄です!鼻水も凍ります。あぁ、暖かいって素晴らしい!
今日も快調に飛ばして行きます。おっ!繁華街の入口の交番が見えてきた!ちょっと挨拶してこう。
「こんばんはー!お疲れ様です!」
「おぉ!コング君お疲れ様!ランニングかい?」
こうやって、気さくに話し掛けてきたのは、寺嶋 晃警部、大城警察署に勤務する刑事さんです。
「あれ?寺嶋さん見廻りですか?」
「あぁ、いや、新人の様子を見にな。おい、北島挨拶!」
「はっ!北島 真琴巡査です!よろしくお願いします!」
元気な声で挨拶してくれたのはボーイッシュな感じで可愛らしい婦警さんです。
「近藤 須佐です。僕に敬語はいらないですよ?僕の方が年下ですから。」
「えっ?!いや、だって?えっ?」
「くっくっくっ。」
あっ寺嶋さんのイタズラだなぁ。
「寺嶋さん?北島さんに何て言ったんですか!」
「ハハハッ!悪い、コング君。30才位のコングと呼ばれる男は俺たち警察が指導を受けている武術の先生だから言うことをよく聞いて、何なら身体を差し出しても警察から感謝されるぞと。」
「わぁ最低!僕はそんなの求めたことないし、北島さんに失礼です!」
僕がかなりご立腹な様子なので寺嶋さんが慌てて
「いや、悪かった!コング君すまん!」
「僕じゃなく、北島さんに謝って下さい!!」
「ひっ!北島、すまなかった!悪ふざけがすぎた!許してくれ!」
「えっ?あっ!は、はい。」
まったくもう!悪ふざけが過ぎます!
「北島さん今度何か寺嶋さんに苛められたら言ってください!指導の時に徹底的にしごいてあげますから!」
「わぁ!すまなかった!コング君いや、コング様なにとぞご容赦を!」
「今回は北島さんに免じて腕立て300回で許してあげます!」
「さ、300!そんな無茶な!」
「それが嫌なら技のデモンストレーションの相手役をやって下さい!北島さんに1つ今この場で技を教えますから!」
僕の相手をする・・・ケガをさせる気はありませんがちょっと痛い目にあいます。だから・・・
「ううう、300やります。」
ほらね。
「では次の稽古の時にやって下さい。逃げたり来なかったりしたら増やしますからね?」
「わかった、いやわかりました!」
ふぅ、これでよし。いい大人がする事じゃないですよ!まったくもう!寺嶋さんはいい人なのにイタズラや悪ふざけが多い!今回のは度が過ぎるからきつめにお灸です!
「あ、あの。」
「あぁ、すいません。改めて自己紹介します。近藤 須佐です。たまに警察の方々に武術を教えてます。いずれ稽古で会うこともあるでしょう。よろしくお願いします。」
「は、はい!よろしくお願いします!と、ところでさっき年下って・・・」
あ、重要な事をいい忘れた。
「神原高校の2年です。17才です。見た目こんなですけど、間違いなく年下ですので。」
「17!?高校生!?えっ!す、すいませんでした!」
あー、やっぱり北島さんも30才くらいにみてたんですね。今日はそういう日なんだなぁ。桜さんに30に見られ北島さんに見られ・・・はぁ。
「それじゃ失礼します。あっ!北島さんそこのイタズラ刑事に何かされたら・・・はい、これ僕の携帯何で連絡下さい。」
メモ帳に自分の携帯番号を書いて渡しました。
「あ、ありがとうございます!すぐに登録してコールしますのでお待ち下さい!」
律儀な人だなぁ。・・・あ、ワンコールきた。えーと北島・・・真琴と
「では、何か・・・まぁ寺嶋さんの事だけじゃなく困った事があったら言って下さい。高校生ですけど、力になりますから。」
「ありがとうございます!すぐに連絡します!」
堅いなぁ・・・
「敬語じゃないほうが嬉しいですけど?」
「あっ!えっと、ありがとう、また連絡するわ。何か困った事があったらお願いね。コン・・・須佐くんも何かあったら言って?頑張るから!」
「そうそうリラックス♪それじゃまた!」
僕はそう言うと二人に礼をして走り出しました。さて、史跡公園までゴー!
《寺嶋&北島会話》
「ふぅ、行ったか。やっぱり怒らせちゃいけないな。」
「寺嶋警部、彼は一体・・・」
「ん?さっき言ってたろ?」
「そうなんですが・・・何かありきたりなナンパの手口に自分が引っ掛かったようで。」
「ナンパ?」
「だって!電話番号聞くの何てそこらのジゴロ気どってるナンパ師より簡単に聞いてきましたよ?私もあっさり教えちゃったし!こんなこと初めてです!」
「ぷっ、ハハハハハハハハハハハハッ!」
「な、何が可笑しいんですか!」
「コング君がナンパ?ナイナイ。アイツはただ、お前の助けになりたかっただけだよ!」
「はい?」
「この街は治安が良いがそれでも。ろくでもない連中がいる。女を食い物にしたり、暴力に飢えてるやつとかな。アイツはそんなこと知らないが、女の身でこんなところの交番に廻された新人が大変だと思ったんだろ?お前の力になりたいから電話番号を教えた。それだけだ。100%コング君の善意だ。」
「そ、そうなんですね・・・初めて会った私を気にかけてくれたんですね、彼は・・・」
「良かったなぁ、北島。」
「な、何がですか?」
「何せこの街の裏の顔ともいえる「星城会」の会長がコングの知り合いに手を出すな!って言ってる位だからな。」
「え、星城会のトップが一介の高校生を気にしてるんですか!」
「あぁそうだ。だから警察が頼んで夜のトレーニングコースにここの繁華街を入れてもらってるんだ。アイツがいるだけで抑止力になるからな。裏の連中は、今日は大人しいだろうよ。それからお前、コング君と電話番号の交換したろ。アイツは裏の連中にみられてるんだ、近づいて万が一コングの知り合いが何かあってみろ。身の破滅だぜ。そして、お前は晴れてアイツの知り合いだ。もう、お前に手を出せる裏の連中はいない。お前が今日の勤務が終わる頃には裏の連中に知られてるだろうよ。北島真琴はコングの知り合いだから手を出すなってな。」
「・・・私は彼に護られているんですね。」
「あぁ、だが油断するなよ。あくまで裏の連中だけだ。バカをやる奴はどこにだっている。市民の平和を自分が護る気概を見せろ。どんな些細な事柄も、たとえ1円の遺失物でも市民の為だと思い気を抜くな。」
「は、はい!市民の為に精一杯努力し、がんばります。」
「よし!その意気だ!・・・ところで北島・・・コングは、どう見えた?」
「・・・力強くて優しい子だと思いました。」
「そうか・・・惚れたろ?」
「な?何言ってるんですか先輩!そんな高校生と何て・・・」
「ハハハッ!アイツに惚れてる女はたくさんいる。もしアイツの物になりたかったら、アイツと一緒に住んでる唯先生を訪ねな。道を示してくれる。」
「・・・はい。」
お読みいただきありがとうございます!