コング君と一緒の帰り道
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《〇〇視点》と入れる作業を1話から行いました。
まだまだ続きますのでよろしくおつきあいお願いします。
それでは本編どうぞ!
《須佐視点》
荒木酒造に戻って、朝頼まれた荷運びをせっせとやり、たまに理穂さんに伝票の整理を頼まれ、澪さんに夕飯の支度を頼まれ・・・あれ?
「何か仕事多くありません?」
「気のせい♪気のせい♪」
まぁいいか。淡々と終わらせる頃、源さんが診療所から帰ってきました。ちゃんと歩けてるから、やっぱり門松先生はすごい!
「ふぃぃぃ、ひでぇ目にあった。・・・ただいま。」
「お帰り、聞いてくれよ、親父!桜が帰ってきたんだよ!」
「おっ?さ、桜ちゃんか?すげぇべっぴんになったなぁ。・・・その子は桜ちゃんの子か?かわいいなぁ。」
そう言った源さんは、桜さんの肩を叩いてねぎらい、楓ちゃんの頭をぐりぐり撫でまわしてます。おぉ孫を愛でるおじいちゃんのようです。
「いちのせかえでですっ!じいちゃんはみおちゃんのおじいちゃん?」
「ん?じいちゃんは澪のお父さんだよ。」
「じゃあ、みおちゃんのおとうさんはじいちゃんでじいちゃんはおとうさんでじいちゃん!!」
「うん?うん。うーん。そうだなお父さんでじいちゃんだ!ハッハッハッ。」
おぉ、源さんが受け入れました!というか、おそらく考えることをやめたんですね?
「源一郎おじさんお久しぶりです。ご心配をお掛けしました。」
そう言って頭を下げる桜さんに、源さんは桜さんの頭をポンポンと叩いて
「なぁに、生きてりゃいろんな事があらぁ。桜ちゃんはしっかり歩いてたら石につまずいただけだ。慌てんでも幸せになれると思ってこれから楽しんで生きりゃ良い。この子もいるんだ。大丈夫大丈夫。」
「・・・はい。ありがとう・・・ございます・・・ひっくっ。」
源さんの言葉が心に効いたのか桜さんが涙ぐんでます。ちょっと僕もウルッと来ます。やっぱカッコいいじいちゃんだな、源さんは。
「それで親父、桜の働き口どこかないかな?こっちに戻ってきて実家にも頼れないんじゃ桜が可哀想だよ。」
「・・・なら、ここでいいじゃねぇか。うちで雇ってやる。親子二人生きてく分くらいの稼ぎは出せるぞ。」
「そうねぇ、どっちみちあなたはそろそろリタイアだからちょうど良いわぁ。」
「本当か親父!やったな桜!これで安心だな!」
大喜びの澪さんと涙声の桜さんが抱きあって喜びます。
「本当にいいんですか?・・・ありがとうございます!一生懸命働きます!」
「ほどほどにな、ほどほどに。理穂と澪に教わりゃいい。うちは力仕事もあるんだが・・・」
「がんばります!」
「いや・・・須佐!たまにきてくれないか?俺はこんなだし女3人じゃあ大変だからな。バイト代は出すから頼む。」
源さんが僕を見て真剣に頼んできます。
「了解です。唯さん良いですか?」
「もちろんよ。しっかり手伝ってあげて?須佐のバイト代はうちで飲む酒代で。」
「おいおい、良いのかよ?」
「大丈夫ですよ。毎週唯さんと理穂さんと澪さんが飲むお酒を現品支給で!あとできればジュースも!」
3人して結構呑むんですよ。これで家計を圧迫しないぞ。よしよし。
「須佐が良いなら俺はかまわんぞ。じゃあよろしく頼む。」
「はい!」
仕事が終わって唯さんと紗ゆり先生、桜さんと楓ちゃんと帰ります。
「須佐くん、また後でいつも通り呑みにいくね。」
「須佐くん、今日もおつまみ期待してるぞ。」
理穂さんと澪さんは、後でうちに来るようです。毎週末うちで呑んでますね。
「わかりました。お待ちしてます。気をつけてきてくださいね。」
歩いて、まずは紗ゆり先生のお宅に向かいます。
「紗ゆり姉さん、姉さんも今夜は、もちろんきますよね?」
「えっ?わ、私は・・・「ねっ?」はい、行きます。」
えっ?紗ゆり先生も来るの?これは料理に力が入りますねぇ。いつもの3人以外の人は久しぶりだなぁ。才斗とミクはたまに来るけど。
「良いよね?須佐。」
「もちろんです!腕によりをかけて料理つくります!」
「じゃあ・・・お邪魔します。よろしくね。」
そんな話をしていたら
「さゆりおねえちゃん、すさくんのおうちでごはんなの?おとまりなの?いいなぁ!いいなぁ!かえでもとまりたい!ねぇ?ママぁ。」
楓ちゃんが駄々っ子だ!
「いや、私は泊まるとは・・・「泊まりです。」はい。」
紗ゆり先生は泊まりと・・・というかみんないつも泊まりだしね。
「楓、わがまま言わないの「えぇぇ!とーまーりーたーいー!」」
「桜ちゃんもおいで、楓ちゃんも、うちに泊まれば良いわ。お風呂も大きいのがあるし、夕御飯も飲み会のおつまみも朝御飯も全部須佐が作ってくれるわ。ねっ?須佐お願い。」
唯さんのお願いを僕が断るわけないです。それに・・・子供が好きそうな料理作ってみたい!ハンバーグとか、チキンライスとか、あっ!いっそお子様ランチとか!
「もちろんです!桜さんも楓ちゃんもおいで!楓ちゃん好きなもの言ってごらん?作ってあげる!」
「えーと、ぷりんとあいすとなぽりたんとはんばーぐところっけ!!」
「よーし、全部作ってあげる!」
「ほんとっ?」
「うん♪楽しみにしてて!」
満面の笑みを浮かべる楓ちゃんの為に美味しいの作っちゃうぞ!
「あの、何かすいません。いきなり押し掛けちゃって。」
申し訳なさそうな桜さん、気にしなくて良いのに。
「大丈夫ですよ。色々あってお疲れでしょう?たまにはゆっくり羽を伸ばして下さいね。あっ、そうだ!紗ゆり先生、桜さん!ふたりとも好物は何ですか?今日作りますよ?何でも言ってください。」
ワクワク、ワクワク何かな?何かな?
「須佐、相変わらず料理を作って人に食べてもらうことが好きなんだから。しょうがない子ね。ふたりとも何でも言ってあげて?」
若干引きぎみな紗ゆり先生と桜さん
「えーと、じゃあ麻婆茄子で。」
「桜さんは辛いのがお好きで?」
「はい!楓が生まれてからはあんまり辛いのは出せないから、久しぶりに食べたいです!」
「ママのまーぼーからくてかえでたべられない。」
「えっ?そうかな?結構甘くしたんだけど。」
そんなに辛いの?じゃあお酒に合う感じで。
「わ、私は、カボチャのグラタン・・・」
「良いですね!熱々をハフハフ言いながら食べるの最高ですよね。」
「う、うん。甘いカボチャが大好きなの!ファミレスとかにあると頼んじゃう!」
何だろう、大人な女性の紗ゆり先生が物凄く子供っぽくてかわいいなぁ。
「了解です!アマアマなカボチャグラタンお作りします!お任せあれ!」
材料は全部ある。よーし帰ったら作っちゃうぞ!うふふ、うふふ。
先生を送り、桜さんたちをアパートまで送ったんだけど、桜さんのアパート、がらの悪そうな人たちが多いし、何だろう?子供にも桜さんにも良くない気がする。そう思ってたら唯さんが僕の方を見て
「須佐・・・私のお願い聞いてくれる?」
「何でも言って下さい。」
「桜ちゃん達を、うちに住んで貰うこと、できるかな?桜ちゃんは私たちの幼なじみで親友で・・・お願い。」
「唯さんは優しいですね・・・、良いですよ。唯さんの大切な人は、僕も大切です。それにあの環境は良くない。うちはあんな馬鹿でかい屋敷に唯さんと僕だけですからね。部屋は腐るほど余ってますから。いつからでも大丈夫です。あっ、でも早い方が良いですね。」
「ありがとう・・・須佐。やっぱり須佐は良い男だね。」
「お誉めにあずかり光栄です!」
「フフフッ」
「ハハハッ」
唯さんが僕の手を握り、笑いあって家に帰りました。
《桜&楓会話》
「おっとまり♪おっとまり♪ぷりん♪あいす♪はんばーぐ♪なぽりたん♪ころっけ♪らんらんらん♪」
「はぁ、本当に良いのかしら?」
「ママ、はやくおとまりいこ!」
「はいはい、向こうに行ったらちゃんといい子にするのよ。」
「かえで、いつもいいこだもん!それよりママ。すさくん、かっこいいね!」
「そうね。」
「ママもかっこいいっておもった?」
「うん、背が高くて、優しくてカッコイイと思うよ。」
「すきになった?」
「えっ?な、何で?」
「だってママかおあかいもん。かえでしってるよ!ママすきになるとかおがあかくなって、ドキドキしてるって。パパがまえおしえてくれた!」
「あいつは何を子供に教えてるの。」
「かえではパパのことは、ママをいじめるからキライ。すさくんがかえでのパパになってくれたら、ママがしあわせになるとおもうし、かえでもしあわせ!」
「もう、今日会ったばかりの人をそんな・・・」
「ママ、こいにじかんはかんけいないよ?おとことおんながひかれるのはふつうだよ?」
「楓、どこでそんな事覚えたの?」
「うん?テレビ。パパとまえみたの。」
「あいつは・・・ふぅ。そうね、ちょっと須佐くんに惹かれてるかもね。でも、楓、ママは少し臆病になってるから期待しないで?」
「あっ、パパがまえいってた。からだのあいしょうもだいじだから、えっちはじゅうようだって。」
「ぶーーーー!!楓!絶対!絶対!絶対!外でそれ言っちゃダメだかんね!約束よ!」
「はーい!おとまりのじゅんびしよ?」
「はぁ、はいはい。自分の着替え持ってきて?」
「はーい!ママはすさくんとえっちのじゅんびしてね?」
「かーえーで!!!!!!!!」
「キャーー♪♪」
お読みいただきありがとうございます。