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えびばでぃえんじょい!~非日常の主役は私達~  作者: 伊戸菜緋緒李×雨野小鳥
一年生
4/5

鈴のターン


琥珀は、驚くほどに水泳が下手だ。自分でも分かってるくせに、信じたくないみたいで、「信じたらさ、負けな気がするんだよ」と言っていたけど、泳ぐとどんどん下へ沈んでいくから、見ていて面白いくらいだけど、これではダメだと思って泳ぎ方を必死に教えている。


琥珀は全力で頑張っているのに、いつもから回っているから、何か可愛い。


今は着替え中。


「胸くそでけぇなおい!お前は峰不○子かよ!」


峰不○子言うなし。と言うか可愛い顔に似合わない口調だな。琥珀は残念な美少女だからなぁ…。あ、お父さんが元ヤンだったけ。で、多分お母さんが元ギャルとか言ってたな。


「違うわ、幼馴染みだわボケ」


まぁ、全てトータルしての琥珀だからいっか。私も言えたものではないし。


「着替えた!」


「私も」


二人とも着替え終ったからプールに行く。


「ねぇ」


「なに?鈴ちゃん」


これは言っていいものなのか悩んだけど、言うことにした。


「太った?」


「口を縫ってやろうか」


物凄い笑顔で言われた。それはごめん被りたい。琥珀は少し太っただけでもとても騒ぐから困る。プールも出たくないと言っていたし(理由は別にもあるかもしれないけど)。そう言う所だけは乙女だなぁって思う。私も太ったら少し気にするけど。なんで私が乙女な琥珀に太ったと言ったかと言うとほっといたらどんどん太っていくからだ。


この前も給食を頼んでいるのに間違えて弁当を持ってきてしまった琥珀が、同じ過ちを犯したクラスで食べるのが早い凪都なぎとくん(眼鏡君)とどちらが早く給食と弁当を食べきれるかを競いあっていた。(お腹がいっぱいで食べられなくなると言う選択が二人にはない)周りの男子は「そう言うところがなければ普通に美少女なのになぁ」と言っていた。私が言うのは別にいいけど、他の人に言われるとイラッと来た。(理不尽)


あの二人は何気に仲がいい。私が休み時間に琥珀と話そうと思っていたら、話す直前で凪都(もう呼び捨てでいいや)が琥珀と話し出しちゃって。結局はチャイムが鳴るまで話し込んでいた。私は友達少ないから(と言うか琥珀しかいない)、一人寂しく琥珀がオススメしてくれた本を読んでいた。


おっと、回想に入り込みすぎた。あ、琥珀に置いてかれた。くそう、また眼鏡か。(どんどん呼び方がひどくなっていく)いつもならしないけど、琥珀を取られっぱなしなのは嫌だから、少々強引な手を使わせてもらう。


「琥珀っ!」


「うっへい!」


琥珀はその場で崩れ落ちた。説明しましょう。琥珀はいきなり後ろから驚かされるとその場に崩れ落ちてしまうのです。


「もう、鈴ちゃん!私は後ろからの攻撃には耐えられないって何回も言ってるじゃないか!」


怒ってるように見えるけど、これがそんなに怒っていない。私が琥珀を驚かせたことによって、馬鹿な琥珀は意識が私にうつり、クソ眼鏡の存在を忘れてしまっているのだ。私は正直誰よりも琥珀から好かれていると思っているから、私に視線がいけばもう、琥珀は私に構ってくる。


普段はそんなことしないけど最近、眼鏡クソのせいで琥珀を取られっぱなしで(二回目)、ストレスがたまっていたのだ。


「ごめん、ごめん。許してくれる?」


「許す!」


チョロっ。そんなところが馬鹿わいい。



「ちょっと?!私は手を曲げてって言ったでしょ。何で手を伸ばしてるの?!」


「すみません!」


「何で今度は逆なの?手を伸ばしてって言ったでしょ?琥珀はいつから、ぶっ壊れたロボットになったの?」


「え、ペッ○ーくん?」


「違う!」


この日からしばらく、琥珀のあだ名はペッ○ーくんだった。








お読みいただきありがとうございました。

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