56.片付けます。
短め。説明回。
落ち着いた私達は、会議室に戻った。
ティモテも戻って来ており、報告を聞く。
「羽馬車はどう?」
「殿下のおっしゃる通りでした。ガニエ騎士団長が来ましたよ」
落ち着いているので何事もなかったのかと思えば、かなり大変なことになっていたようだ。
「……羽馬車は守れたということよね?」
「はい、もちろんです」
「ガニエ騎士団長達は?」
「一応生きています。配下はほとんど死にました。生きている者は捕らえて縛っています」
「……そう。生きている者には出来る限り手当てしてあげてください」
「はっ」
死闘だったのだろう。
自分が死ぬかもしれないのに、相手を殺すななど言えない。
だが、それでも、申し訳ない気持ちが襲う。
「うちのメンバーは?」
「全員無事です」
「それは良かったわ」
味方が無事なのが一番だ。ホッとする。
結果としては、こちらの完全勝利と言えるのか。
ならば、後処理だ。
「リュカ、ルイゾンは地下牢で良いかしら?」
「はい」
「では、えっと、マティスさん?」
「はい」
マテオに一度聞いただけだったため不安だったが、牢番長の名前は合っていたようだ。
少し離れたところにいた彼を手招く。
「ルイゾンを地下牢へ入れて来てください。二人くらい、一緒に付いて行って」
「はい」
「はっ!」
「殿下、彼らも地下牢の方が良いと思います」
「そう。ではリュカの言う通りに」
「は!」
ルイゾンと、彼に付き従っていた護衛は皆、地下牢行きとなった。
正式にリュカが領主になれば、改めて処分が決まることだろう。
「リュカ、私達全員泊まらせてもらうことはできる?」
「もちろんです。大したおもてなしは出来ませんが手配いたします」
「ありがとう。あまり気にしないで」
やることはまだまだある。
元々予定していた援助や税の控除についての打ち合わせ、ラシーヌ領民への政策変更、王への報告、リュカに対しての処罰決定など。
忙しいことだ。
「決めないといけないことは、明日以降にしましょうか」
「そうしていただけると助かります」
リュカは疲れ顔で言った。
そうこうしている間にも、リュカを呼ぶ声が聞こえる。
急な領主交代だ。挨拶やら統制の変更やら忙しいのだろう。
「ティモテ、マテオ。部屋を用意してもらったら、3人で会議をするわ。食料や武器の在庫を把握しておいてね」
「「はっ!」」
皆が忙しく働くなか、私はホッと一息ついた。
上の者がやることは、報告を受け、最終的な決断をすること。細かな作業はお任せだ。
周りを見渡せば、皆の顔は明るい。
ラシーヌ領城内でも、ルイゾンへの不満は多かったのかもしれない。
リュカへの期待がうかがえる。
リュカは、これからが本番。
私も出来る限りの助力をしよう。
私は皆を眺めながら、これからに思いを馳せた。




