表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

Episode4 涙

 離婚するまでで驚いたことが2つある。

 1つは、『お父さん』が『お母さん』にDVしていたのが、逆になっていたことだ。

 お父さんは外面そとづらが良かったから、調停員を騙すことなど容易たやすかっただろう。

 もう1つは、お父さんが「クソアマ共が住んだ家なんか住めねぇから、てめぇらにやるよ。俺は杏奈あんなちゃんと一緒に住むからな!」

 と言ったことだ。お父さんは浮気までしていたのだ。

 それからは早かった。

 お父さんは、1つの部屋を埋めつくしていた荷物を全て持って出て行った。

 お父さんがいなくなった家は、ひどく広かった。


 お盆の頃、玄関のチャイムが鳴った。

 出てみると、護だった。

「護!」

「暇だったから、遊びに来た。入っていいか?」

 どうせ私も暇だし、いいか。私は護を招き入れた。

「うん。入って」

「あ、おばさん。お邪魔します」

 護はお母さんに声をかけた。護の両親は礼儀に厳しいので、見た目は派手だが、礼儀正しいのだ。

「護くん、いらっしゃい」

 お母さんがにこやかに出迎えた。

「俺さ、聞いちまったんだ。うちに参拝に来た人の話」

 やぶからぼうに、護が言った。

「何?」

 何のことか分からない。

「幸奈、お前のお母さん、離婚したって本当か?」

 護にバレてしまった。

「…………そうだよ」

「アル中だったとか、暴力ふるってたとも聞いた」

「……それも本当だよ」

「幸奈、気づいてやれなくて、まもってやれなくて……………ごめん!!」

 護は泣きながら謝ってきた。

「ごめんな、彼氏失格だよな……」

「護が泣くことじゃないよ。心配してくれただけで……嬉しいから」

 近所の人からは腫れ物に触るような扱いを受けていたが、護は今までどおりに接してくれた。護の優しさがしみて、私も泣いてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ