未知なる石
時は2222年、人類は兵器の発達により世界中でエネルギーとなる資源を巡り戦争が繰り広げて滅亡に向かっていった。
人々は世界の終わりを迎えようとした……その時。
「うわ!なんだ!?この凄まじい光は!」
誰もが目を眩ませる激しい光が世界を包み込んだ。神の怒り、星の怒りだと思った。
しかし人々は戦争をやめようとしなかった。
兵器を開発するために資源を採掘してると未知なる石を発見した。金属でも宝石でもない石であった。世界中の科学者はその石を研究し分析をしたが誰も石の謎を解ける者はいなかった。
科学者が研究に行き詰まったある日、一人の少女が山の奥地で未知なる石を触れたその間……
青年の回りは炎が上がった。そして、未知なる石を身に付けると炎を自由自在に操ることができるよえになったのであった。
彼女は石の力で戦場に立ち未だ終わらぬ戦争に終止符を打った。そして、英雄となり終戦を迎えると同時に伝説となり後世に語り継がれるのであった。
人々はこの戦争を終えた喜びを「巫女の奇跡」と呼んだ。
「おやすみなさい。私の子供達よ」
あれから100年が経ち伝説もただの昔話と成りつつ科学者は再び未知なる石を研究を始めていた。時代は流れ科学も進歩しようやく解析できた未知なる石は適格者のみ反応を示し魔法を使えるように若しくは身体能力を上げるという効果があるとされ機械にも取り入れれば人々の生活にも役立つとされた。
これを『魔晶石』と呼び魔晶石の適格者を『ハイブリッドタイプ』と呼んだ。この研究の成果を善と悪と考える者は少なくない。そして魔晶石は世界へと広がりを見せた。
「……もう、こんな時間か。そろそろ帰るか。」
一人で町を歩いているのは神崎京介である。年齢は17歳の高校二年生。家柄が武術の家系である。なかなかの美男子であるが素行不良のため友人が少ない青年である。
ピリリリ
鳴りだし京介は電話に出た。
「ん?非通知?……もしもし?」
すると京介は目の前が真っ暗な世界へと引きずり込まれた。そして次の瞬間、知らない世界へ飛ばされた。
目の前には未来なのか過去なのか理解できない世界が広がっていた。そして京介は自分の世界とは別の世界だとすぐに理解できた。なぜなら、その世界の住人は魔法のような奇術を使っているように見えたからだ。
「人が火を放っている!?」
自分の目を疑った京介であるがこのようなことでは序の口に過ぎなかった。この世界こそが魔晶石によって築き上げられた世界であったからである。そして神崎京介が巻き込まれた自分の世界とは違う別の世界へ迷い込んでしまった異世界である。
「なんなんだ!ここは?とにかく町へ行ってみよう。」
京介は見知らぬ土地を歩きだしこの世界の住人に話を聞きながら町へと目指した。そして、わかってきたのが選ばれた者は魔法が使えて魔晶石を巡って国が動いているということであった。そして、元の世界に戻るためにある「企業」に訪ねることを薦められた。それは『アレイシスカンパニー』という元は国からの援助で魔晶石の採掘を営んでいた小さな企業であったが「ある事件」をきっかけに国や政府に手を下せる程にも大企業に急成長を遂げた。
京介は町から町へと歩き渡り食事や寝床を労働をして賄っていた。そして、次の村へと向かう途中の森で京介は遭遇してしまった。
顔には一つしかない目、歯は鋭く尖った牙。大きな体に大きな木で作られた棍棒。まるで、大型モンスターが現れたかのように……そして、大きな棍棒は京介に向かって大きく振りかぶった。