何というか……期待はしていませんでしたけど掃除してて欲しかったですよ!
ピンポーン!
無事に3時間の高速バスの旅を終え、兄の家についた訳ですが……反応がありません。
ま、まさか、兄さんが倒れてるのでは!?
と思いましたけど、確か大学はまだ夏休みに入ってないんでした……。多分、普通に授業を受けていることでしょう。
まぁ、今日来ることは伝えてありましたし(元々父に内緒で遊びに来る予定でしたし)勝手に入っても問題はないでしょう。
それより、扉を開けるのが怖いですね……
確か、最後に母がこの家に来たのが、約一月前……
どれほど汚れているのでしょうか?
きっとあの兄さんのことだから掃除なんかしてないでしょう。
匿ってもらう代わりに家事はする予定でしたけど
あ、開けたくないですね……
…ええい!!女は度胸です!!
バンッ!と開けた扉の先の惨状は……
強いて言うなら足の踏み場がないというか…
とりあえず、1日でどうにかできる代物ではないとだけ言っておきます。
今日は寝る場所の確保だけはしたいですね。
☆ ☆ ☆
あくせく働くこと2時間。
やっと寝る場所の確保ができました。
ふと時計を見るともう6時。
そろそろ兄さんが帰って来る頃でしょうか?
台所までは手が回らなかったので今日は外食にでもしてもらいましょう。
ああ、その前に兄さんにATMによってもらって
私の生活費(主に食費)が振り込まれているか確認しなければ……
そんなことを考えているうちに兄さんが帰ってきたようです。
「おかえりなさーい!」
「ああ、柚来てたのかって寒!」
ドアを開けた途端身震いする兄さん。
そういえば掃除をしているうちに暑くなって
エアコンの温度を18度ほどに下げたような気が……
「18度!?下げすぎだろ!?」
あ、兄さんにバレてしまいました。
まぁバレない方がおかしいですけど。
27度にまで上げられてしまいました……
「そんなことよりお腹すきました。何か食べに行きましょう!」
兄さんが座り込む前に外に出たい!
兄さんは一度座ったらダラダラと過ごして立ってくれなくなるのです。




