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クラス転移する前に転生しました!  作者: 田村 オクト
2 平和な文明開化編
7/38

数学の場合!

 エルフや獣人や人間など他の国のことはよく知らないがこの魔国では数字扱える人が極端に少ない。雑貨屋店主ジョンのように10のかけ算ができないのは本当にひどい。だから俺は子供達に四則演算をさせている。


「はっきり言うと、数をこなして慣れるしかない!四則演算は慣れろ。」

「えぇーー。」

「わかってる、モチベーションが欲しいんだろ?」

「コクコク」

「男子の諸君!」

「はい!」

「数学だけじゃなくて、勉強ができたら女子にもてます!」

「おおお!」

「女子の諸君!」

「はいっ!」

「お金の管理ができる良い女になれます!」

「きゃー!」

「というわけで四則演算やりましょう!」

「「「「「おおおお!!」」」」」


 こんな煽りですぐやる気を出すなんて、純粋な子供達、チョロすぎるぜ。チョロメンとチョロインって呼ぶぞ。


「わかんないぃぃぃ!」


 子供達がカリカリとチョークを滑らせていると、汚い大人の声が聞こえてくる。


「院長先生しっかりしてください。」

「だってわかんないんだもん。」

「いやいや、もん、じゃないですよ。」

「私にもモチベーションください!」

「えぇー。他の生徒達は頑張ってるじゃないですか?」

「だから、私にもモチベーション!」

「えぇー。じゃあ、どうすれば良いですか?」

「えーと、今夜私の部屋で耳と角をマッサージしてくれるって約束してくれたらモチベーションが上がります。」

「5歳児になに頼んでるんですか。」

「ダメですか?」

「わかりました。今夜行きますから。」

「ありがとうございます! おお。やる気が出てきました!」

「はいはい。」


 本当に5歳児にねだることじゃないと思う。リンダはショタコンなのか…。あっ、リンダってショタコンか!


「ショタコン?」

「それは違います!」


 物凄い剣幕で睨みつけてくる。この話題は触れてはならないようだ。


「じゃあ、みんな頑張れよ!」

「「「「「はい!」」」」」

「院長先生も。」

「はいぃぃ。」



 ◆



「ツカサ!ここわからない!」

「ん?フィルア?どこがわからないんだ?」


 フィルアが黒板を持ちながらわからない問題を指差す。

 フィルアが持ってきたのは四則演算で処理できるはずの簡単な問題だった。


「フィルアって四則演算楽々解いてたよね?」

「うん。そうだけど…。わからないの。」

「どれどれ、ちょっと解かせてみて。」


 それは自分が大きな黒板に書いた課題だったがフィルアが写した問題を見て解き直す。


「あれ、これ教えてないところがあるな。」


 ムムムとフィルアと一緒に悩む。


「フィルア、この問題って本当にこういう問題だったっけ?」

「えっ。ちょっと見てくる!」


 ピューっと、フィルアが走っていく。


 若干落ち着きないのが残念だなぁ。

 将来はもっと落ち着いて淑女になるのかなー。


「ツカサ!写し間違えてた!」

「しっかりしろよー、フィルアー。」

「えへへへ。」


 笑って誤魔化したフィルアであった。

 だが、俺にとってその笑顔は天使の微笑みだ。

 ゆえに写し間違えでも許す。


「今度からは気をつけて落ち着いて写せよ。」

「はい!」



 ◆



 その夜、約束通りリンダの部屋に来ていた。


「リンダー、何度も言うけど5歳児に頼むことじゃないよね?」

「いいっ、じゃないですか。本当は17歳なんで、あっ、しょ?」

「でも、なんかビッチっぽいよ?」

「失礼ですね。んっ。こんなことツカサくんにしか、んあっ、やらせてません。」

「じゃあ、良いけど。他の男にやらせてたらさすがに泣くから。」

「やらせて、んっ、ませんから大丈夫ですよ。」

「わかったよ。じゃあ、ペース上げるから。」

「はい。あっ、んっ…んあっ…。」


 耳と角をフェザータッチしていく。リンダは角は手で、耳は口で触ってやるのが好ましいらしい。リンダの可愛い声を聞いていても5歳児だからそういう欲は出てこない。ただあるのは征服欲。


「つ、ツカサくん、そろそろ…。」

「よく耳と角だけで…。」

「はぁはぁ。ツカサくんが上手いのがいけません。」

「大人になったら本当に凄そうだね。じゃあ、ラストスパートだね。」


 宣言した通り早く、しみ込むように手と口を動かす。

 結果、出来上がったのは、ビクンビクンしているリンダだった。


「あ、ありがとございました。」

「どういたしまして。じゃあ、俺は戻って寝るよ。」

「ここで寝ても、良いんですよ。」

「寝てほしいんだろ?」

「……そうとも言います。」

「じゃあ、ここで寝るよ。」

「はい!先に布団に入っててください。ちょっと着替えてきます。」


 その夜は暖かいリンダを抱きしめながら寝た。

 


 ◆



 あれから、数学を教えていると子供達の吸収速度には眼を見張るものがあった。すぐに四則演算はマスターして、文章題をやらせてみてもすぐに解けるようになっていく。何人かからの親御さんにはお礼を言われて寄付も多くなった。数学も知識チートの類に入ることに感心することになった。

フィルアをもうちょっと出していこうかと思います。

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