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孤独の少女

その部屋に少女は一人……

  部屋から出ると、廊下に繋がっていた。

  窓からは日が差し込み、さっきの場所とは正反対だった。

「何処かのお家かな?」

  小さな少女、雪は俺の左手を強く握っている。

  窓から外を覗くと、住宅街が下の方に小さく見えた。

  どうやらここは、何処かのマンションの様だ。

「俺たち、誘拐されたらしいな……」

「ゆ、誘拐!」

  雪が声を張り上げる。

「……じゃあ、私たち食べられるの?」

「いや、食べられないから……」

  雪の思考は絵本に出てくる『赤ずきんちゃん』のようだ。

「……オオカミが来るの?」

「いや、そんな半泣きの萌え顔でこっち見ても俺には分からないから……」

  何故、この雪が可愛く見えるんだ……

「オオカミが来ても俺が守ってやるよ」

「うん! じゃあ、私はお兄ちゃんを盾にして逃げるね!」

  おい。

  そんな笑顔で悲惨なこと言うな。

「まあ、オオカミは来ないから安心し––––て––––っへ?」

  そんな事を話していると、いきなり奥から灰色の毛並みの犬が歩いてきた。

「お、おおお、お兄ちゃん! オオカミが!」

「お、落ち着け雪よ! あ、あれは単なる犬だ! ここ、こんな家の中にオオカミがいるはずが……」

「お、お兄ちゃん! オオカミがこっちに走ってくるよっ!」

  オオカミが獲物を見つけたような目でこちらに向かって来る。

「ダメだ! 雪、お兄ちゃんもうダメだ!」

  足がすくみ、全く歩けない。

  ごめん。雪よ。お兄ちゃん、ヘタレだった。

  オオカミが目の前まで迫って来た。

「ゆ、雪! お前だけでも!」

  俺は最後の力を振り絞り、雪を守るように前に立ち塞がった。

「さあ、来い! オオカミよ! 俺が相手だ!」

  そんな偉そうなことを言うが、変な構えで、目も瞑っていた。

「あ、あれ?」

  足に柔らかい感覚を得た。上下に触る感覚。

  俺は恐る恐る片目だけ開けて、足元を見た。

  オオカミは可愛い鳴き声を出し、俺の足に首元を擦り付けていた。

「な、なんだ?」

  俺はその場にしゃがみ込み、オオカミの首元を撫でた。

  オオカミは気持ち良さそうに目を閉じる。

「こ、これは……まさか!」

  俺は掌を表にして右手を前に差し出した。

「お、お手」

  オオカミは、俺の右手の上に気持ち良さそうな肉球が付いた腕を、ポンと置いた。

「か、可愛い!」

  雪は、オオカミに興味を持ち始めた。

「お座り」

  オオカミは、俺の言葉ですぐさま座る。

  まさか! これもやってくれるかも!

  興味本位で、次の言葉を放つため、口を開いた。

「ち、ちんち––––」

「ポチ。おいで」

  不意に、前の方から少女の声が聞こえ、俺に命令を言わせる前に、オオカミは少女の方へ走って行った。

  心の中に微かな悲しみを覚えた。

「ごめんね……こんな所に連れて来て……」

  オオカミ撫でながら、少女はそう言った。

「いや、別にいい。何かがあったから呼んだんだろ?」

「逃げたり、しないの?」

「あんたが悪いやつに見えないからな」

  それに、微かに思い出した記憶も気になる。

「あ、りがとう……」

  少女の頬から涙がポロポロと落ちた。

「ごめん……なさい……こんなの、初めてだから……」

  もしかすると、この少女は誰にも信じて貰えないで、ずっと一人だったのかもしれない。

「お兄ちゃん……本当にいいの?」

  雪は心配そうな声でそう言った。

「ああ。大丈夫だ」

「じゃあ。お兄ちゃんに付いて行く!」

  雪の笑顔を見ると、今までの雪のイメージが吹き飛んで行くようだった。




「少年は記憶を辿る旅に出る。か……」

  研究所の一室で、女性は紅茶の入ったティーカップを傾け、口に含む。

「一周目にあなたが恋した少年は、どんな人なの?」

  女性は大型のカプセルに手を当てる。

「ねえ、アメリア」

  少女は目を開け、微かな声でこう言った。

「たす……けて……キサラ……」

  少年の人生が多いに変わろうとしていた。

お久しぶりです! あるまです!

ただいま眠くて眠くてたまりません。

今にも寝てしまいそうな雰囲気です。

さて、今回の二話なんですが。

結構更新が遅かった事誠に申し訳ありません。

これでミスなどが有ったら、皆さんに頭が上がりません。

そこんとこは大目に見てやってください!

まあ、人間ミスをして成長する生き物なんで。

よろしくお願いします!


今話を読んでくれた皆様。誠にありがとうですございました!

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