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Colony  作者: Scherz
第一章 魔法街 始まる者達
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2-6-1.クラス発表

 転移による光が消えると、そこは学院のグラウンドだった。


(また別の場所に飛ばされるのかと思ったよ。)


 見知った場所への転移という結果にホッとする龍人。まぁこれで全く知らない場所に転移されていたら集団失踪事件となって、大々的に取り上げられていた可能性も無きにしも非ず。


 さて、龍人から少し離れた場所には火乃花達が立っていた。

 火乃花の横には、先程戦っていたクラウン、そして火乃花目線では名前は知らないがクラウンに吹き飛ばされて倒れていた男…という認識の遼が座り込んでいた。

 自分が街立魔法学院のグラウンドにいる事を確認した火乃花は周りを見回して、初日に岩場の上で会った男の姿を見つける。

 大した話をした訳ではないが、中々に考察力のある人物という印象が強かった為、今回のクラス分け試験で印象的だった1人だ。


(確か、龍人君だったかな。彼も最後まで残ったのね。)


 気楽そうに伸びをする龍人の横顔を見ながら、この試験で会った人の中で1番気になる人物が龍人かもしれないと火乃花は思い直す。

 勿論異性として気になるのでは無い。何となくではあるが龍人が何かを隠していると感じたからだ。

 実は、龍人と別れた後に火乃花は、龍人が龍巻を使った場面を偶然目にしていたのだ。龍人が相手の龍巻を利用し、自身の龍巻を更に強化した技は、簡単そうに見えて実はかなり難易度が高い。

 一般的な魔法使いが普通に龍巻の攻防を見ていたら、二つの龍巻が激突した結果…一つの巨大な龍巻になっつ周りを巻き込んだ。と、解釈するだろう。

 しかし火乃花には龍人がその結果を意図的に狙った様に見えたのだ。

 そんな事を考えながら龍人を見ていると、偶然目が合ってしまう。

 そのまま目を逸らされるかと思ったのだが、案外社交的なのか龍人はニコッと笑うと手を振ってきた。


(ほんと、ただの好青年にしか見えないのにね。)


 ここで手を振り返さないという選択をして今後の関係を冷やすのは得策な訳が無く、火乃花も微笑みながら手を振り返した。


(ま、悪いやつじゃなさそうだし、仲良くしてれば…彼が何を隠してるのかが分かるかもしれないわね。)


 こんな事を考えて行動しているあたり、火乃花も中々に打算的な女である事は間違いない。


 こんな風に、それぞれの新入生達が入学早々の試験を振り返って近くの人と話し込んでいた。


 グラウンドに戻り30分程した頃だろうか、新入生達のザワザワとした雰囲気が大分落ち着いた所で、校長が現れた。

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