5-1-12.対人戦トーナメント
様々な角度から発射されるレイを龍人は紙一重で躱し続ける。網目のように高密度で放たれる為、全てを避けきる事が出来ずに少しずつ擦り傷が増えてしまう。
隙を見つけて攻撃魔法をいくつか飛ばしてはいるのだが、ルーチェに軽々とあしらわれている。防戦一方の状況だ。
「龍人くん。この攻撃を躱しながら、私を倒すだけの魔法を放つのは至難の技ですわよ。降参してもいいのですわ。」
「そーなんだけどね!俺も負けるわけにはいかないんよ!」
(こーなったらやけだ!一か八かの賭けにでるしかないかな。)
龍人は攻撃の合間を縫って空高く跳び上がった。
光球から空中の龍人目掛けレイが発射される。このままでは、地上ほど自由に身動きが取れない空中で大量のレイの直撃を受け、倒れる事は目に見えている。
しかし、自分で空中に飛び上がっただけあって龍人は冷静だった。飛び上がると同時に両手次々と魔法陣を展開し始めた。レイを避けながら至る所に展開、設置をしていく。次第に龍人とルーチェの周りの空間を囲うように魔法陣が設置されいった。そして、それらの魔法陣は同時に発動された。魔法陣は拡大、結合し、大きな空間型魔法陣を形成。その内側に反射障壁の効果を持つ結界を展開する。
龍人、ルーチェ、大量の光球を覆う反射障壁。
「こんな方法で反射障壁を…!龍人くん、すごいですわね。」
「凄いかは分かんないけど、勝負はここからだ!この反射障壁は、光魔法を反射する。俺とルーチェ、倒れるのはどっちが早いかね!」
既に発射済みのレイが、反射障壁にぶつかって反射する。縦横無尽に結界内を駆け巡り、外からは中の様子が見えなくなってしまう。ルーチェが光球の発動を止めるのが遅くなった事も重なり、避け切る事が出来ない数のレイが障壁内で暴れ回る。
そして、障壁が抑えきれる力をレイが上回り、障壁が崩壊。その反動で爆発が引き起こされた。




