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Colony  作者: Scherz
第一章 魔法街 始まる者達
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3-3-1.爆発後

 走り去ったバルクを見送る龍人と遼は、湧き上がる笑いを必死で堪える。流石に、爆発事故の現場で爆笑するわけにはいかない。あと、他人の失恋を堂々と笑うのもモラル的にどうなのかという所もちょっとだけあったりする。しかし、去り際のグチャグチャな泣き顔はどうしても笑いを誘うものだった。

 さて、ラルフとリリスが夫婦という事実。上位クラスの全員が知っている。リリス=ローゼスと名乗っているのだから、気づかなくとも、勘繰るのが当たり前だ。

 ただ、属性診断で教室に入ったバルクはリリスに目を奪われ、リリスが名乗った時にローゼスの部分は聞こえていなかった。一目惚れになった瞬間にリリスが独身だと思い込み、ハートをゲットする為に突っ走ったのだ。

 更に言えば、ラルフとリリスは外見からしたらちょっと想像できないというか、「いい奥さん捕まえたな!」的な感じなのである。まぁ、実際に恋愛や結婚が見た目で決まるわけではないので、あくまでも外見上は。の話になってしまうのだが。

 因みに、リリスが保健室で龍人と遼にバルクとの待ち合わせの場所や時間を教えたのは、単に生徒の純粋な頼み事だと思っていたからだ。

 ラルフは肩を震わせて笑いを堪える2人の様子を眺め、泣きながら走り去るバルクを見て、キョトンとした顔でバルクを見送るリリスを見ると、事の次第を粗方理解した。

 リリスをそっと下ろすと、ニヤニヤしながら龍人と遼の近くにしゃがむ。


「おい、もしかして、バルクは今さっき失恋した感じか?で、どんな顔して走ってったんだ?」


 ラルフの言葉で笑いのダムが決壊する。龍人と遼はブッと口から音を出し、カクカクと頷く事しか出来ない。それを見たラルフも笑い出した。


「まじか。くくっ、ははっ、ひぃー苦しい!」


 腹を抱えて笑い始める。その笑いが龍人と遼のダムを完全にぶち壊す。事故現場でしゃがんで笑い始める3人…もはや爆笑だ。横に立つリリスは、相変わらずキョトンとしたままである。

 失恋を笑うなんて不謹慎なのは分かるのだが、どうしても我慢が出来ない3人であった。


 こうして、1人の青年の淡い恋に幕が閉じた。


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