3-1-4.恋
バルクは見惚れていた。もちろん、リリスにである。学院で保健衣を着ているリリスも素敵だったが、青のワンピースを着た彼女は更に素敵だ。清純派の言葉がピッタリに思える。
「ごめんね。遅くなっちゃった。」
リリスの言葉で我に返ったバルクは、慌てて返事をする。
「い、いえ!大丈夫っす!俺も今来たばっかなんで!」
「あ、そうなんだ。待たせちゃったかと思って心配しちゃった。」
ニコリと笑うリリス。その笑顔にノックアウト寸前のバルクは、どうにか頭を回転させて言葉を紡いだ。
「じゃ、じゃあ行きましょう!」
「うん!いいよ。」
そうしてバルクとリリスは魔法の台所へと入って行った。
店内に入ると、バルクは迷わず魔具のコーナーへと進む。人気店なだけあり、品揃えは多種多様の一言である。杖から剣、銃、更には輪ゴムみたいな物まで様々な魔具が揃っている。
因みにこの段階でリリスは魔法の台所に来た理由を知らなかった。時間と場所が書かれた紙を渡され、その通りに来てみたのだから当然である。
そして、魔具コーナーに到着した閃いたようにリリスがポンと手を叩く。
「なるほど!バルク君はまだ魔具を持ってないんだったね。ほんと、学院に入るまで無詠唱魔法しか使った事がないなんて、かなり珍しいよ。それで入れちゃうんだから、才能に溢れてるのかな。ふふ。昨日の属性診断で属性が分かったから、それに合う魔具が欲しいんだよね?」
「お…はい!」
「任せて。私がバルク君に合う魔具を見つけてあげるねっ。」
レイラは軽くウインクをすると、軽い足取りで魔具コーナーを回りはじめた。
(か、可愛い。かわいすぎる!)
その可愛さはバルクの思考回路をオーバーヒートさせそうなレベルである。興奮し過ぎて、これではいつ鼻血が出てきてもおかしく無い。
(やっぱり俺の目に狂いは無かったぜ!)
楽しそうに魔具を手に取って吟味するリリスを見て、バルクは想いを伝える決心を新たにするのであった。