2-7-42.授業 属性診断
因みに、遼の属性は龍人の予想通りのものだった。そもそも、遼がそれ以外の属性を使っている所を見た事がないので、間違いようが無いのだ。
「遼の属性はホント予想通りだよな。」
「ホントだよ。実は気付いてない属性を持ってるって期待してたんだけどね。でも、属性が1つだけだから…まだ2つ位の属性が使えるようになる可能性があるのは知れて良かったな。」
確かに遼の言う通りである。自身にまだ使えるようになる属性がある可能性を、知っているのと知っていないのでは大きな差があるのだ。
すると、ラルフが疲れた様子で教室に入ってくる。どうやら全ての属性診断が終わったようだ。何か話でもあるのかと思ったのだが、ラルフはヒラヒラと手を振ると疲れた様子を一切隠さずに言ったのだった。
「はい!解散!明日も授業に遅れるなー!」
完全にぶっきらぼうな態度で言うラルフを見れば、これ以上ここに残っていてもしょうがないのは明白。クラスの生徒はラルフの言葉に従ってゾロゾロと帰っていく。
龍人はフラーっと立ち上がったバルクを見ると、悪巧みを思い付いた無邪気な子供のような顔をして遼に声を掛けた。
「よし!遼、やるか!」
「もちろん!」
遼も乗り気らしく、目がキラキラと輝いている。
龍人と遼の2人はバルクの姿を見失わない様に、教室から移動を開始した。