2-7-39.授業 属性診断
「このクリスタルは、無属性の魔力を大量に凝縮する事で生成が出来るんだ。お前でも多分作れるんじゃないかな。まぁ、大量の魔力で作る訳だから、一般的な魔法使いは1日に1個作るのが限界だけどな。で、これに魔力を込めると、本人の持つ属性を表してくれるんだ。」
「へぇー。凄いっすね。」
龍人は関心しながらラルフの持つクリスタルを眺める。すると、ラルフがクリスタルを渡してきた。説明は終わりという事だろう。龍人は手に持ったクリスタルを光に翳してみる。透き通った結晶は光を反射してキラキラと輝いていた。
「で、これに魔力を込めて属性診断をするって訳ですね。ちょいと気になる事があるんですが、無属性の魔力以外ではクリスタルを作る事は出来ないんですか?」
「ん?あぁ、できるぞ。属性【火】の属性クリスタルとかも実際に存在しているし、作る事も出来る。まぁその場合、そのクリスタルを使えるのは、属性【火】関連の属性を持つ魔法使いに限定されるけどな。何故かっていうと、属性クリスタルは属性診断に使う事は出来ない。そうなると、もう1つの使用方法である魔力補充が主になってくるわけだ。クリスタルは魔力補充にも使うことが出来て、有属性のクリスタルの場合、クリスタルに込められている魔力をほぼ100%で補充出来るんだ。それに対して無属性は大体80%位だな。」
「へ~。結構便利なんですね、クリスタルって。」
「あぁ、長期間の仕事や、戦闘が予想される仕事に行く場合の必需品だな。まぁ、お前ら学生にはそんなに縁がない使い道かもしんないけどな。他にも色々と使い方があってだな…って説明してる場合じゃねぇ。時間があんま無いんだよ。よし、早く魔力を込めろ。」
「あ、はい。」
龍人は言われた通りにクリスタルに魔力を込める。
「いいぞ、もう少し魔力を込めれば属性が分かるはずだ」
ラルフの言葉通りにクリスタルが徐々に光り出す。その輝きはだんだん強くなり、ひと際強くなったと思うと、クリスタルが形を失い霧状に変化した。その霧はゆっくりと形を変えると、1つの文字を形成した。