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Colony  作者: Scherz
第四章 其々の道
518/994

10-1-5.後期授業



黒くなった(決して日焼けではない)ラルフはいつもと変わらない調子で話し始めた。


「うし。まずチーム戦の基本について説明すんぞ。魔法使いがチームを組む場合、最適な人数が4人って言われてる。お前らには夏休みに体験してもらったから、何となく感じてくれてる奴もいるかもな。でだ、その4人が各役割をバランス良く分担するのが理想だ。基本的な役割はこれだ。」


ラルフは次元魔法で黒板を取り出すと、書き始めた。


近距離攻撃

中距離攻撃

遠距離攻撃

防御

回復

索敵

隠密

遊撃


8つの役割が書かれる。


「いーか。大まかにこの8つの役割に分かれるぞ。細かくすればもっと増えるんだが、そんなに細かくする必要がないからこれでOKだ。でだ、難しいのはここからなんだよ。この8つの役割を4人で分けるんだな。ま、これは経験すんのが1番だな。」


ラルフは手の上でチョークをクルクル回しながら全員の顔を眺める。


「ここまでで質問はあるか?」


サッと手を上げたのは、珍しくバルクだった。


「この役割なんだけどよ、4人で全部の役割を担当出来なかったらどーすんだ?」


「バルクらしい質問だな。基本的にはこれが揃わないメンバーでチームは組まない。まぁ、そうならない場合も多々あるとも言えるんだがな。そうだな…簡単に言えば臨機応変に補うしかないな。例えば遠距離攻撃ができる奴が居なくても戦闘は成り立つ。ただ、相手に遠距離を得意とする奴が居ると苦戦するってだけだな。まずはそこんとこも経験しないと分かんないだろ。よし!今日から2週間は2人1組でのチーム戦をすんぞ。適当にチーム分けして、1戦毎に別のチームとバトルの繰り返しだ。はい、始めー。」


ルールの説明も無いままに実戦授業の開始が告げられた。上位クラスの生徒達は隣に居る人とペアを組み、隣に居るペアとの勝負を始める。

龍人の最初のパートナーは、何故かクラウンだった。遼と組もうと横を見た時には既に姿は無く、少し離れた所でラルフがニヤニヤ笑っていた。


(まじか…。やだわー。)


テンションが下がりまくる龍人とは対照的にクラウンはやる気満々だった。


「おし!龍人!お前には俺様の華麗な魔法で敵を倒す姿をマジマジと見せつけてやる!そして思い知るがいい!俺様にはどんなにひっくり返って逆立ちしてクルクル回っても敵わない事をな!」


「はいはい。期待してるよー。」


(本当に面倒臭い奴と組まされたな…。)


いきり立つクラウンに引っ張られる形で対戦相手が決まる。

相手は火乃花とルーチェだ。


(夏休み位から急に仲良くなったよな。なんかあったのかな?)


2人の話す態度とかを見ていると、以前よりも打ち解けている雰囲気が出ている。


「じゃ、行くわよ龍人君?」


「おう!負けないぞ。」


「私達も負けませんわよ?」


「はっはぁー!俺様の天下に平伏すがいい!」


クラウンの言葉の使い方がオカシイ件について誰も触れないのは暗黙の了解である。


クラウンは龍人を置いて走り出した。迎え討つは不敵な笑みを浮かべる火乃花とルーチェ。龍人は思う。


(全く勝てる気がしない…。)


…と。





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