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Colony  作者: Scherz
第四章 其々の道
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10-1-3.後期授業



その後は座学が中心の午前授業となった。取り扱った内容は魔法街の歴史である。全く興味の無い龍人は窓の外をほぼ眺めているだけに終わる。


昼休み。


龍人、火乃花、遼、レイラ、ルーチェ、バルクの6人は学食にいた。前期と同じように屋上に行ったのだが、秋に染まりつつある風は少しばかし寒かった為に急遽場所を変えたのだ。


バルクは昼から豪華なハンバーグ定食を頬張りながら龍人に声を掛ける。


「なぁなぁ、4人1組ってどーやって決まんだろうな?」


「大方、教師陣が割り振るんじゃない?生徒に任せたらメンバーの取り合いとかありそうだし。」


「って事は誰と一緒になるか分かんねっか。んー、つまんねぇな。」


「誰かと一緒のチームになりたかったのか?」


「いや、逆だよ逆。スイの野郎と別のチームになって戦ってみたかったんだ。」


この会話に火乃花が意外そうな反応を見せる。


「あら。あんたが戦いたいとか珍しいわね。」


「俺の事馬鹿にしてね?流石の俺でもそれ位は思ったりするぞ?」


「流石の俺でもって言ってる時点でアウトだと思いますの。」


ルーチェの横槍が見事にバルクを突き刺す。


「うっ。」


「ねぇねぇ。それより、他の学院ってどんな学院生がいるんだろうね?」


レイラが話を変える。


「あ、それならちょっと知ってるよ。」


サンドイッチを口からはみ出しながら遼が手を挙げた。


「確かダーク魔法学院は、特殊な属性を持った人しか入れないんだよね。属性【闇】とか、属性【次元】とかだったかな。シャイン魔法学院は、神様に関連する解釈を出来る属性を持った人しか入れないって聞いたよ。例えば…属性【聖】とか、属性【癒】とかかな。」


「ふーん。って事は、レイラとかルーチェはシャイン魔法学院に入れたってことか?」


「んー、どうなんだろ?」


遼自身もあまり詳しい情報を知っている訳ではなく、首を傾げてしまう。ここで、何故か色々なことを知っているルーチェの出番だ。


「それなら分かりますわよ。まず、レイラさんは入ることが出来ますわ。【癒】はかなりレアな属性ですし、神様を連想出来ますから。それに対して私は属性【光】ですから、入ることは出来ませんの。無理やり解釈をすれば聖なる光とかに繋げることは出来ますが、そもそもそれだと殆どの属性が神様へと続く解釈が出来てしまうので、そういう属性は対象外なのですわ。」


「そうね。属性【火】だって、世界を生み出した元素の1つって言ったら神様に続く解釈になるわよね。」


火乃花の補足にルーチェは頷く。


「そうなのです。それを考えるとダーク、シャインの魔法学院の門戸の狭さは同じ位になるのですわ。」


真剣に聞いていたレイラは首を傾げる。


「あれ?それだと、龍人君は属性【全】だから…入れるとしたらダーク魔法学院になるの?」


この質問には流石のルーチェも首を傾げる。


「どうなのでしょう?特殊な属性なので、入れそうですが…。そもそも全ての属性を使えるという事は、全能の神に通ずるものがありますわよね。そう考えるとシャイン魔法学院にも入れそうですわ。」


「確かにそうだね。龍人君はダーク魔法学院とシャイン魔法学院だったらどっちに入りたい?」


レイラは横に座る龍人を見る。


「んー、どっちの魔法学院も見たことが無いからなぁ…。」


「そっかぁ。そうだよね。変な事聞いちゃってごめんね。」


レイラはシュンとした表情を見せる。これが、演技でしゅんとしているのなら良いのだが、本気でシュンとしてしまう所が龍人を惹きつける要因だったりする。

そんな龍人はレイラにフォローを入れようとするが、横から火乃花が割り込んできた。


「はいはい。ラブラブタイムは2人きりの時だけにしてね。」


「ちょっ!ラブラブタイムって…」


龍人は否定しようとするが授業のチャイムが食堂に響き、全員が慌てて立ち上がった。

午後の授業はグラウンドで対人戦の授業なのだ。そして、いつも通りの遅刻ペナルティが言い渡されていた。


遅れた場合、


男は裸踊り

女も裸踊り


遅刻するわけにいかない1年生上位クラスの面々は早々と移動を開始した。


皆とグラウンドに向かいながら、龍人はちょっとだけ不満な気持ちを抱えたりしていた。


(そんなにラブラブだったのか?)


龍人としてはレイラが心惹かれる存在であるのは間違いない。しかし、そこから先の恋愛対象として認識をした後も、一歩を踏み出せずにいたのだ。自身の持つ属性が確実に何かしらの悪いものを引き寄せる事を漠然ではあるが、感じた今となっては更にその気持ちが強くなっていた。



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