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Colony  作者: Scherz
第四章 其々の道
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10-1-2.後期授業



ラルフは全員が席に着いたのを確認すると話だした。


「よし。後期の授業が始まるんだが、その前にお前達に伝えておく事がある。」


まだザワザワしていたクラスの全員が興味を惹かれて口を閉ざした。


「まず1つめだ。前回の夏合宿を受けて、上位クラスへの編入が決まった生徒がいるぞ。おーい、入ってこいー。」


ラルフの言葉に合わせて教室のドアが開き、3人の生徒が中に入って来た。

オカッパ頭みたいに前から後ろまで切り揃えられた黒髪が特徴的な女の子。

飄々とした雰囲気で、頭の中心…旋毛から前髪にかけてがツンツン頭。そんな細身の男。

そして、何度も面倒臭い絡みを披露してきたあの男。外見的特徴があるとしたら、決してカッコ良くはないという事と、癖毛であるという事位か。


その男は部屋に入るなり1番に口を開いた。


「どぅーだお前ら!俺様は這い上がったぞ!これで、これで、夢のモテライフが始まるんだぁぁ!おい!龍人!火乃花!俺様はお前らには負けんからな!手~洗ってまってろよ!」


「クラウンうっせぇ。しかも手じゃなくて首な。」


ラルフの鉄拳が脳天に直撃する。

教室の隅の席に座っている龍人は火乃花と目が合う。苦笑いをしているところを見ると、勘弁してくれとでも思っているのだろう。


(あいつが上位クラスに上がってくるってのも意外だけど、なんで俺と火乃花の名前を呼んだんだ?そんなに恨まれるような事したっけ?)


床に伏したクラウンを放っておいて、自己紹介が進む。


黒髪オカッパ頭の女の子だ。


「えっと…サーシャ=メルファ…です。前期までは中位クラスにいましま。どうせ私なんか大した事…ないんですけど…よろしくお願いします。」


サーシャは丁寧にお辞儀をする。彼女の出す雰囲気にやられたのか、クラスの雰囲気までもが暗い感じに変わっていく。


「はい次ー。」


ラルフはそんな事は何も気にせずに次を促した。


「あ、こんにちわー。タム=スロットルっす。これからよろしくお願いします。」


頭ツンツンのタムはどこか飄々とした雰囲気を感じさせる男だった。


(まーた癖のある3人だな。)


面倒臭い人が増えた気がするので、龍人は内心で溜息をつく。


「おし!3人は空いてる席に座れー。」


「まてラルフ!俺様のアピールタイムはまだまだ…ぐぷっ!?」


騒ぎ出すクラウンの脇腹にラルフの爪先がめり込んだ。何故かクラウンに対する扱いがラルフも雑なのは気のせいか?


全員が席に着いたところで(1人は机に突っ伏してピクピクしている)、ラルフが話し出す。


「それじゃあ、後期の授業内容について話すぞ。後期も座学は勿論続ける。とは言っても、そこまで難しい内容はしないつもりだけどな。で、実戦の授業だが…こっちはチーム戦を主に取り扱う予定だ。チーム戦の基本は4人1組だから、色んな奴とチームを組んでもらうぞ。1人よがりに突っ走る奴は迷惑だから自重しろよー。」


ラルフはクラス中を見回す。バルクとクラウンの所で目線が少し止まったのは、そういうことを意味しているのだろう。

ここでいつも通りのニヤリが披露された。


「んでだ、お前らに楽しい発表があんぞ。12月24日…って言ったらクリスマスイブだな?その日と翌日の25日に魔法学院1年生対抗試合が行われる。基本的には全員参加で、参加条件は4人1組のチームだ。まぁ、つまりチーム戦の授業をするのはそういう訳だ。」


上位クラスの面々がざわめき出す。今まで全く交流のなかった、もしかしたらこれからも交流が無いのかも知れないと思っていた他学院との試合。これは学院生達にとっては大ニュースだった。


「試合が行われるのは中央区だぞー。」


ラルフの言葉を聞く生徒はほとんどいない。


(全く。学生ってのはこーゆー所が抜けてるよな。まぁ…俺も昔はそうだったか。)


クラスがザワザワする中、龍人は中央区で会った2人を思い出していた。


(確か…森博樹と浅野文隆だったかな?あいつらも出るんだろうな。…他学院との試合か、めっちゃ楽しそうじゃん。)


龍人の中で闘士の炎がメラメラと燃え上がる。


ラルフが手を叩いた。


「ほーれ静かに!」


全員が自分に集中したのを確認すると、ラルフは一言。


「授業すっぞ?」


いつになく?真面目な雰囲気のラルフであった。



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