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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-130.闇と実験



龍人とルフトの猛攻がロジェスを襲う。ロジェスの1つ1つの攻撃は範囲も広く、威力も高いが連続した攻撃の速度がそこまで早くはなかった。

また、龍人とルフトは殆どの攻撃が通らないという前提の元で攻撃を仕掛けることで、攻撃後に生じる隙を極限にまで小さくしていた。

これらの戦法を使う事で、ほぼ一方的にロジェスへ攻撃をする事が出来ている。

ただ、今も述べた通りほとんどの攻撃が通らないというのがネックになっていた。


「レイラさん。龍人くんとルフトくんが押しているように見えますが、このままだとマズイ気がしますの。」


「ルーチェさんもそう思う?ダメージが全然与えられてないよね…。」


ロジェスの放つ電気や火の余波や流れ弾を防ぎながら戦闘の様子を観察する2人は、ロジェスの異常さを感じていた。

サタナスに何かをされてからの外見の変化も、もちろん異常ではある。しかし、攻撃が全く効かないという事の方が更に異常である。


「ただ…なんですが、私の気のせいじゃなければ、ロジェスさんが魔法を使う回数が減っていますの。」


「え…単純に龍人君とルフト君の攻撃に押されてるだけじゃないの?」


「んーそうだといいんですけども。」


2人が心配して見つめる中、龍人は黒い靄の影響が徐々に強くなり始めていた。


(やべぇ。意識が時々とびそうだ…。)


攻撃をする時される時に関係無く、制御しきれない力が龍人の意識を奪おうとしていた。

ただし、それでも龍人がロジェスの攻撃の直撃を受けずに済んでいるのには訳があった。

魔力の流れが龍人の目に見えるのだ。はっきりと見えるのでは無いが、漠然とした流れを視覚情報として龍人の脳が認識をしていた。

まず、魔力が溜まる部位が見える。そして、魔力がどこに向かって放たれるのかが分かるのだ。それがわかっている限り、魔法による攻撃の先読みが可能という事になる。これは、魔法を使っての戦闘で圧倒的優位であると言える。例えそれが意識が飛びそうになっていたとしてもだ。


(ただ…このままだとマジで意識が保たないぞ。)


龍人の中で焦りの感情が渦巻き始める。ロジェスに対する攻撃が全く効果がないのも、その要因の1つと言えるだろう。

爆発の魔力を纏った夢幻が弾かれた龍人の隣にルフトが着地する。


「おい龍人。このままじゃダメだ!こっちの魔力が尽きちまう。」


「…ん?なんか言ったか?」


「え?だから、このままだとこっちがやられちまう!」


「ああ…。だからと言って何か方法はあるのか?もう後は残った魔力を一気に解放する位しか分かんないぞ。」


「ふっふーん。」


楽しそうにロジェスの爪を避けて反対側に回ったルフトは龍人に短く耳打ちをする。


「…そんなんが可能なのか?」


「もちろん!魔法には無限の可能性があっからね!」


「だけど…俺、やったこと無いぞ?」


「そりゃー気合いっしょ!魔法はセンスだからね!」


龍人とラルフは電気を避けると、ロジェスを挟むようにして立つ。


「行くよー龍人!」


「…おう!」


不安の残る龍人は、それでもやるしかない状況に覚悟を決める。


2人は両手をロジェスに向けて波動を発動した。



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