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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
502/994

9-3-123.闇と実験



属性【空気】を操るルフトの移動速度はかなりのものである。

バルクが無詠唱魔法で元々高い身体能力を強化して全力疾走しても追いつかない。

ルフトは時々バルクの様子を伺いながらスピードを調節しているが、それでもバルクの出せる速度のギリギリラインを保っている為、バルクに余裕は全くない。

15分程走り続けるとルフトがピタリと足を止めた。


「ハァッハァッハァッ…。ここはどこっすか?」


目の前のルフトの姿を追い掛けて走り続けていたので、バルクには今いる場所が何処なのかサッパリ分からなかった。


「ここは魔法協会南区支部の裏手だよ。俺、昔ここで遊んでて見つけちゃったんだよね。」


ルフトは石畳の上まで移動すると、地面に手を付ける。すると石畳が低い音を立てながら移動し、地下へと続く階段が現れた。


「うおっ。マジか。にしても何で魔法協会の地下に行く必要があんだ?」


「あ、そうだったね。実はさ、ここの地下に魔獣関連の施設があるらしいんだ。さっきの連絡だと、そこに龍人と遼もいるらしいよ。ラルフが一緒にいるらしいんだけど、まー心配じゃない?何が起こるか分かんないし。何より俺の直感がヤバイって言ってるんだよね。ってなわけで、助けに行くのさ!」


「なるほど!ついて行くぜ!」


ルフトに感化され始めたバルク。爽やか?コンビは意気揚々と階段を降り始めた。




少し階段を降りると…なんと天井が崩落して先に進めなくなっていた。


「んー、困ったなぁ。よし、一気に壊して進もっか!」


ルフトは空気の圧縮を始める。


「いくらなんでも風でそんなぶっ壊せんのか?」


バルクの疑問も最もである。いくらなんでも何メートルあるか分からない瓦礫を風属性の魔法で壊すのは、至難の技と言える。


「甘い甘い!風の強度は魔法使い次第だよ?それに、風も使い方次第で威力が格段にアップするんだな~。ま!見ててみ!」


ルフトは圧縮していた空気に触れる。


「行くぜ!俺は床をぶち抜く!」


鎌鼬が発生し階段に衝突する。目の前の瓦礫ではなく、本気で床を壊すつもりらしい。続いて風の渦が細長い筒状になって連続で打ち出された。そして、極太の風の渦を発射。その中には大量の鎌鼬が走り地面を削り取って行く。

その横でルフトは空気を再び圧縮し始める。

フッと風の渦が消える。ルフトはそれが開けた穴に圧縮した空気を叩き込んだ。


「いっけぇぇ!」


圧縮されていた空気が解放される。その空気が穴の外に出ないようにルフトは穴の入り口に遮断壁を展開。更に、解放された空気の力の向きを下に向ける。

そして、遂に空気が生み出す膨大な圧力に負け、階段…ルフトとバルクの足元が崩壊した。


瓦礫とともに落ちながらルフトはバルクに向けて親指を立てる。


「どうだい!出来るもんでしょ?」


「流石っす!」


バルクも親指を立てる。


2人は不思議な格好のまま落ちていく。



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