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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-121.闇と実験



ボコボコ


メキメキ


グシュッ


文字に表すのが難しいほどの不快な音が部屋に響き、その度にロジェスの体は変形をしていく。


「火乃花さん、ラーバル長官とサタナスさんがいないですわ。」


ルーチェに言われて部屋を見渡すが、確かにその2人の姿は見当たらなかった、


「動物を倒した時は居たのに…。ルーチェ、周りには十分気をつけて。」


「はいですわ。まずは目の前のロジェスさんですわね。」


ロジェスの変形が止まる。


「…これが俺の行き着く先か。こんな、こんな姿になるのか!…いいだろう。俺は人外として人間共を駆逐してやる。これが、これが俺の生きる覚悟だ!!」


身体の筋肉が膨張しボディービルダーの様なムキムキ肉体。そして瞳が全て黒に染まったロジェスは、その存在から放たれる威圧感がその前の数倍増しになっていた。


「俺の生き様をお前達は受け止められるのか!?俺の覚悟を超える覚悟を見せてみろ!」


ロジェスは叫ぶと両手を組んで地面に叩きつけた。


「きゃっ!ですわ!」


「え…!?」


両拳が地面にぶつかると同時に床一面に亀裂が広がり、部屋が崩れる。

火乃花、ルーチェ、ロジェスの3人は崩れた床に呑まれて下へと落ちていった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ところ変わり街立魔法学院グラウンド。


「うらぁ!」


バルクの拳が一直線に突き出される。放たれた拳の速度、距離を考えたら直撃もしくは擦るのは確実なのだが…バルクの拳は綺麗に空を切った。

ヒラリと躱すのに合わせて金色のフェザーウルフヘアが揺れる。


「甘い甘い!そんな攻撃をしているんじゃ、全然強くなれないよ!?」


金髪の男はバルクの横に回ると、バルクと同じように拳を突き出す。


「へん!俺だってそんなん喰らうか!」


バルクも同じように拳を避けるが…そこに来るはずの拳が来ない。


(あれ?)


なんて思っている間に足に襲いかかる衝撃。


「ぬわっ!」


バルクは綺麗に足払いを受けて地面に転がってしまった。


「いつつ…。」


「甘いね~。そもそも格闘戦において、直線的な攻撃だけじゃ勝てるわけないじゃん。それだけの身体能力があるんだから、もっとフェイントを混ぜるべきだと思うよ?」


「いや、あの距離とタイミングで外されるとは思っているなかったんだよ。」


「それが甘いんだよ。もし当たらなかったらどうするか。そこまで考えて全ての攻撃を組み込んでいかないとね。」


バルクは上体だけ起こすと後頭部を掻く。


「分かってんだけどなぁ。そんな簡単にできねぇわ。ルフト程頭良くねぇからよ。」


金の髪を掻き上げたルフトは爽やかに笑う。


「それは違うよ。俺だって最初は全然出来なかったもんね。経験あるのみだぜ!」


ニカっと笑うと親指を突き出す。


「じゃ、魔法のみ、格闘のみで来たから次は魔法と格闘での本格的な勝負でも行きますか!」


「うっへぇ。勝てる気が全然しねぇ。」


「何言ってんの!チャレンジあるのみ!上位クラスのトップを狙うんだろ!?」


「…そうだな!よし、負けないぞルフト!」


今のルフトの台詞でやる気を出す辺りが、流石は単純なバルクと言った所か。


バルクは飛び起きるとルフトに向かって構えを取る。


「さぁ来い!」


「おうよ!」


バルクは力強く地を蹴った。


10分後。


「ぬあぁぁぁ!」


ズザザザザ~ゴン!


といったやや激しめの効果音と共にバルクがグラウンドを滑るように転がり、壁に激突した。


「ん~まだまだだね!幾分か持ち堪えられる様にはなったと思うぜ!ただ、まだまだ格闘と魔法が別々に使われてるかな?」


「くっそ!いってててて…」


バルクはヨロヨロと起き上がる。


「じゃ、今日はこんなもんでしょ。お疲れさん!」


「ういっす。ありがとうございました!」


バルクがドンっとその場に座り込むと、ルフトも隣に来て腰を下ろした。



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