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Colony  作者: Scherz
第一章 魔法街 始まる者達
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2-3.クラス分け試験

 相手を撃破した龍人は、次の相手を探しながら島の端まで移動する事にした。

 探知結界などを駆使し、1日中戦う相手を求めて動くのも有りだ。いや、こちらの方が正攻法といえよう。

 だが、1つの大きな問題が立ちはだかっていた。

 それは…入学式前日に緊張からかあまり寝る事が出来なかった為に、眠気がピークという問題。

 何かしらのイベントの前になると気持ちが高ぶって寝れなくなるアレである。

 この状態では集中力がふとした瞬間に切れてしまい、勝てるはずの相手に負けてしまう可能性も十分にあり得る。

 上位クラス入りを目指す龍人としては、敗北だけは避けなければならない事態なのだ。

 こんな事情がある為、眠気の解消が最優先課題だと位置付けたのだ。

 繰り返しあくびをしながらも、周囲の警戒を怠る事なく、敵と遭遇することを上手く避けながら島の端まで移動する。


「おっし。ここらで良い場所があれば…。」


 辺りを歩き回探索して程なく人に見つかりにくそうな適当な穴を見つける。

 龍人は穴内部の具合と、周辺環境のチェックを念入りに行い始めた。


「…うん。この穴なら結界を張っておけば、誰かに見つかる事も無いだろ。」


 満足したように頷いた龍人は穴の中に潜り込む。


(もう少し戦った方がいいんだろうけど、この眠気だと全然戦いに集中出来ないからな。今日は体調を整える方を優先って事で。)


 寝る前に1度穴の中から外を覗くと、朱に染まり始めた空が綺麗なグラデーションを描いていた。遠くでは戦闘の音が微かに聞こえたりもしているが、龍人は気にしない。本当にそんなレベルで眠いのだ。

 誰かに見つかった時の為にトラップ系の魔法陣を辺りに設置し、周囲10mに人が近づいたら反応する探知結界も張り巡らす。

 穴の中で横になった龍人は静かに目を閉じた。

 自然と霧崎火乃花との出会いや、先程戦った相手の事が思い出される。

 これから多くの刺激を受けることが出来そうだと感じた龍人は、ウキウキした気持ちを抱えながら眠りについたのだった。




…2日目。


 朝起きた龍人の元に魔法便が届けられた。魔法便というのだから、手紙が空を漂って自ら龍人の手元に舞い降りたのだった。

 特にそんな説明は聞いていないが、送られてきたからには開けないわけにはいかない。

 どんな内容なのかと訝しみながらも封を開けて中身を確認する。

 中に入っていたのは1枚の紙切れ。そして、記載されていたのは…


高嶺龍人 1500pt


の文字だった。


(なるほど。朝にその人の持ちポイントを教えてくれるのか。それにしても1500ptって、昨日の巻き添えを喰らった人が4人もいたのか。それにあの龍巻は俺の攻撃ってなってるのね。相手の龍巻を利用しただけだから、なんとも言えない気分だなぁ。)


 他の人達のポイントが分からない以上、1500ptが有利か不利なのかの判断をするのは難しい。少しでも上位クラス入りに近づく為に、この日も龍人は相手を探して動きだす。とはいかなかった。何故ならば…


(んー。面倒になってきた!よし。ここは気分転換に森林浴だ。寝よ寝よ。敵が来た時に起きればいっか。)


 穴から出て降り注いできた日差しが余りにも気持ちよすぎたのだ。ポカポカと暖かく、タップリ寝て起きたばかりなのに眠たくなってくる。龍人は完全にやる気を失っていた。

 龍人はそのまま周りに探知結界を張り、堂々と眠りにつく。

 寝ていた場所が余程辺鄙な場所にあったのか、それとも運が良かったのか分からないが…とにかく、襲われる事なく寝続ける事が出来たのだった。

 1年生のクラス分けという、かなり重要であるはずの試験であるのにも関わらず、龍人は2日間をほば寝て過ごす事となったのだった。


 こうして、2日目はあっけなく終了した。


 もう少し頑張れ主人公。

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