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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
478/994

9-3-99.闇と実験



「マジか!」


頭上に魔法壁を展開して氷を防ぐ。雀が降らせる氷…氷柱は無差別に降り注ぎ、龍人の前方では数頭の動物が氷に貫かれて倒れている。


(防御をしなかった?って事は、人間みたいな知能があるって訳じゃ無いのか。動物が本能の一環として魔法を使ってるのか?だけど…どうやって魔法を使えるようにしてるんだ…。このままじゃ拉致が明かねぇぞ。)


龍人は氷を防ぎながら高温の熱を両手に溜める。上と下からの攻撃を同時に防ぐのは、展開魔法陣を使う龍人からしてもかなり危険が伴うことには変わりがない。先ずは頭上の雀を落とすのが先決と判断をした。龍人は熱の塊を2つ頭上に飛ばす。それは雀が飛び回る高度まで上がると、破裂するように細かく分散し周囲の雀を襲う。フラグメンテーション(破片手榴弾)の知識を応用した魔法だ。

その効果は抜群で、8羽の雀が墜落。残りは2羽となる。しかし、ここで油断をする事は出来ない。雀の数が減ったとは言え、雀が実験場に入って来る前よりも状況は悪化しているのだ。龍人が雀を落とした事で、円錐型の氷に翻弄されていた動物達は再び龍人に向かいつつある。そして、龍人には現状を打開する方法はまだ見つかっていない。


もし、その方法があるとしたらそれは1つ。動物たちが集まっている側の壁にあるドアを開けて先に進む事だ。龍人の後ろにあるドアは入った瞬間に魔法によって防壁が張られてしまっている。その防壁を破壊するにはある程度の強力な魔法を使う必要があるが、その時間を目の前にいる動物たちが許してくれる筈もない。そして、レイラがこの施設内に居る可能性が非常に高い今、龍人に戻るという選択肢は無かった。


(動物達が守る様に立っているドアに防壁が張られてない証拠も無いよな。ってなると、ある程度の動物を倒す必要があるんだけど。……またか!)


雀が倒され、雀の魔法で数頭の動物が倒れたことで、実験場内にいる魔獣の総数は14頭にまで減っていた。ここから一気に押し切ることも考えたのだが…そんなに甘くは無かった。ドアの左右の壁がスライドして穴が空く。そして、そこから狼が5頭、熊が3頭入ってきたのだ。


(さっきから倒しても倒しても20頭前後になるように補充してきやがる。どこでこの部屋を監視してるんだ?その「眼」を潰せれば…。いや、「眼」を潰した瞬間にもっと大量の動物が投入される可能性もあるか?)


どの可能性を辿っても事態が好転する可能性が見え無い事で、龍人の中に焦りが生じてくる。焦りは龍人の思考を緩慢にさせ、そのタイミングを見計らった様に動物たちが一斉に動き出した。





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