471/994
9-3-92.闇と実験
見失ってしまったラーバルの姿を求めて、火乃花は周りを注意深く観察しながらルーチェの後をついて行く。
「大丈夫ですわって、何がどう大丈夫なのよ。私達、普通にラーバル長官の事見失ってるわよ。」
「それが大丈夫なのですわ。じつは昨日、私のお父様が教えてくれたのですわ。」
そこまで言うと、ルーチェはとある店の前で止まる。
BAR ROCK
と看板に書かれている店だ。
「ラーバルさんは最近この店に良く来ているらしいのです。ということは、多分今日もこの店にいるはずなのですわ。」
やや当てずっぽうな推理なのが気になるが、それよりも気になるのがルーチェの父親だ。
「なんであなたのお父さんは私たちがラーバル長官を調査するのを知ってたのかしら?」
「そればっかしは分かりませんわ。私はお父様には全く及びませんので。」
「ホントあなたって色々謎なところが多いわよね。ま、いいわ。入りましょ。」
「なんでもかんでもひけらかすのは、自分で自分を追い詰めるだけですわ。一応それ位の領分は弁えていますのよ。」
ルーチェと火乃花はBAR ROCKのドアを開けると中に入って行った。




