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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-81.闇と実験



鞭を弾かれた女は一瞬硬直するも、すぐに構え直す。影の鞭は手裏剣へと形を変え、女の周囲に浮遊する。


一方龍人は…


(すげぇ力だ。だけど…力に呑まれそうかも。ちょいちょい意識が飛びそうになる。)


黒い靄が及ぼす影響で真っ直ぐ立つことが出来ない。フラフラと揺れる龍人を見て女は攻撃に移った。影の手裏剣が一斉に発射される。まっすぐな軌道、普通であれば避けられる可能性が高いが…フラフラな状態ならば直撃する可能性が高いと女は踏んだ。万が一避けられた場合に備えて影の日本刀を生成、龍人に向かって走る。


しかし、女は甘く見ていた。彼女達が探していたモノの…力を。


龍人は片手で頭を抱えながらも周囲に魔法陣を展開。炎の矢が無数に出現する。更に炎の矢には龍人の周りに漂う黒い靄と同じモノが纏わり付いていた。


女は炎の矢の出現と同時に警戒心を強めるが、足を止めることはなかった。それは、女が自分の魔法に対して負けないという自信を持っている事に他ならない。


龍人が右手を振ると炎の矢が発射。影の手裏剣と衝突する。2つの魔法は僅かに拮抗するが、すぐにそれは破られる。炎の矢はいとも簡単に影を散らす。


「な…!?」


女は魔法が力負けした事に驚きながらも、飛来する炎矢の隙間を縫うようにして避ける。

炎矢の群れを抜けた先には、頭を抑えてフラフラな龍人が立っているだけ。

女は影の日本刀を握りしめて疾走しようとし、ある事に気づく。

炎矢を発生させた魔法陣が未だに赤く輝いていたのだ。

女は嫌な予感に駆られて後方に視線を送る。そして、すぐに魔法をを全力で発動させた。


女を目掛けて炎矢がうねり踊るように不規則な動きで迫っていた。


女は周囲に在る影を一気に右手へと収束、炎矢群へ向けて影の奔流を放つ。影は炎を呑み込もうと暴れ狂い、炎を影の生み出す闇を照らし先へと突き進む。

この影と炎のせめぎ合いだけならば、影が勝者となっていたかも知れない。


しかし、女は背後から更に巨大な魔力を感じた。


そこでは龍人が右手を中心に複数の魔法陣を展開させていた。魔法陣が白く輝く。それらの魔法陣から光が出現し、龍人の右手へと集まっていく。そして女が影を収束して放ったのと同じ様に、龍人も光を収束して放った。


光の奔流は暴れ狂いながら女へと向かい、女の姿もろとも光の中へと呑み込む。そして、部屋の壁に激突、破壊してその姿を薄れさせていった。



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