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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
458/994

9-3-79.闇と実験



(…来た!…ん?)


探知結界に質量の大きいものが引っかかる。が、しかし、それ…鉄杭は龍人の頭上5m程の壁に突き刺さった。

先程まで正確に狙っていたのに、ここで的を外す意味が分からない龍人は、思わず頭上を見上げる。

そして、そのタイミングを見計らったかのように龍人の前方から質量は小さいが、大量の魔法反応が現れた。

慌てて前を見ると、そこにあったのは黒の円盤。龍人を切り裂かんと迫っていた。


(ちっ…!陽動か!)


龍人は光球を複数出現させ前方へ飛ばす。光と黒がぶつかる直前で光球は散弾と化し黒を迎え撃つ。


パパババババ!!


黒と白がぶつかり合う事で、小さな閃光が空中に瞬く。


(なんだ?あの女の姿が全然見えねぇ。しかも探知結界にも反応しないなんて…)


龍人は前方でなんとか食い止めている黒の円盤を見る。


(多分あれは…影を実体化させてる魔法だ。鉄杭で影が増えてからあの攻撃の量が一気に増えたし。後は影を使う魔法の特性が分か…)


「?あ…!」


突然、龍人の左肩を激痛が襲う。

見ると1本の黒い針が左肩を貫いていた。


(しまった…。さっきの鉄杭も影を作るためか!)


龍人は急いでその場から離れる。

少しすると黒い針は霧散してしまった。治癒魔法を左肩に掛け、回復を待つ。

そうしている間にも黒い円盤、針、鉄杭は止まることなく四方八方から襲いかかってくる。


(まずい…。このままじゃ防御壁と魔法壁だけで魔力が無くなっちまう。どうにか打開策を見つけないと。)


ここでも圧倒的な威力の魔法を使えない事が龍人を苦しめる。龍人は必死に頭を回転させる。しかし、相手が考える時間を与えてくれる訳が無かった。

いきなり足に襲い掛かる横方向からの衝撃。龍人はバランスを崩して横転してしまう。倒れ、上を向いた瞬間に首筋に当たる冷たい鋭い感触。


女が龍人の上に馬乗りになり、首に黒いナイフを押し当てていた。


「…お前、本当に求めてる者なのか?弱過ぎる…。」


「くっ。求めてる者って何がだよ?」


女の目がスーっと細められた。


「成る程…自覚が無いのか。ならば喚び覚ましてみるか。」


女は右手でナイフを押し付けたまま、左手を上にあげる。すると、周囲にあった影が蠢き針の形を形成する。


「出てこないと…死ぬぞ?」


(この女、何について話してるんだ…?)


龍人の疑問を他所に女の手が振り下ろされた。影の針が龍人の両手両足を貫き、地面に縫い付ける。



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