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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-78.闇と実験



龍人が対抗策を考える間も、女は鉄杭を射出する。

龍人は無属性魔法で身体能力強化を施し、ひたすら避け続ける。


(そもそも…あの女の属性が全然わかんねぇ。アレだけ鉄杭を飛ばすってことは…別空間から召喚してる筈だよな。ってことは、空間系の属性か?…だけど、それだとさっきの黒の説明がつかねぇ。…あぶね!)


龍人の脇腹のすぐ横を鉄杭が掠める。


2人が戦う部屋の中はあちこちに鉄杭が刺さりまくっている。入った時は真っ白だった部屋は、黒い鉄杭とそこから伸びる影によって白と黒が入り乱れる部屋へと変化していた。


(このまま避け続けてても埒が空かないな。…反撃するか!)


龍人は体の斜め後ろに夢幻を水平に構える。そして、魔法陣を展開し高速移動を開始する。…つもりだったのだが、不意に鉄杭の連続射出が止まり、そのあまりの突然さに龍人は攻撃をするのを躊躇ってしまう。

女は薄い笑みを浮かべていた。


「これでお前の勝利は無くなった。」


「何がだし!」


龍人は水平に構えた夢幻を横に薙ぐ。剣から発せられるのは風刃。それが生み出す気流の変化により、周りには小さな鎌鼬が発生している。

これだけの質量の風刃が迫れば、対抗する魔法を放つか防御系の魔法張るのが普通だが…女は何もしない。ただ、風刃が直撃する寸前に柱の裏側へと飛び込むだけだった。


(よし。柱の裏で防げる程度の魔法じゃない。)


風刃が柱に直撃し、鎌鼬が一気に吹き荒れる。

龍人は追い討ちを掛ける為に柱の裏側が見える位置まで移動する。


「…あれ?」


柱の裏側に女の姿は無かった。


ヒュン


ヒュンヒュン


後ろから聞こえる風切音に龍人は反応する。当然、展開するのは防御壁だ。しかし、着弾と同時に3枚展開した防御壁の内2枚が粉砕。残りの1枚もどんどんヒビが広がっていく。


(マジか…!)


龍人は慌てて攻撃の正体を確認する。それは、黒い円盤状の物体だった。


(なんだ?この程度の鉄の円盤ならそんな簡単に砕けることは無いはずなんだけど…。……!?違う!これは鉄じゃない!)


物体の正体を悟った龍人は砕け散る寸前の防御壁の内側に魔法壁を展開した。魔法壁が展開されたコンマ数秒後に、黒い円盤が防御壁を突き破り魔法壁と突き刺さる。


このまま耐え続けては魔力を消費するだけと判断した龍人は、両手両足の先に魔法陣を多重展開。爆風を生み出し、操り、それが生み出す推力でその場から一気に離れ、その勢いのまま部屋の隅まで移動した。

攻撃される方向をある程度限定させるのが目的だ。


龍人は壁以外の方向に探知結界を展開。相手の攻撃に備える。



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