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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
454/994

9-3-75.闇と実験



転移の光が消え、龍人の目に飛び込んできたのは白い部屋だった。


(真っ白だな。さっきの女は…いないか。)


特に注意を引くものが無いので龍人はドアを開けて部屋の外へ移動する。


(誰も…いないな。それにしても廊下も真っ白か。遠近感が狂いそうだな。)


廊下は特に何もなく誰もいない。

廊下の各所にあるドアを開けようとするもどれもこれも鍵がかかっている。

そして、十字になった廊下の各突き当たりにある4つのドアの内1つだけが鍵が開いていた。


龍人はドアを開ける前に魔法陣のストックの確認をする。


(ここだけ鍵が開いてるってのが如何にもだからな。襲われる可能性はあるだろ。)


魔法陣の確認が終わった龍人は1度深呼吸をするとドアノブを捻り、先へと進む。


ドアの向こう側はまたしても白い世界だった。ただ、途轍もない広さの部屋だ。

そしてその部屋の中央に黒いシルエットが1つ。


(女か…?さっきの?)


恐らく女性…のシルエットをした人物は動かない。

龍人は警戒しながらもそのシルエットに近づいて行く。直ぐに武器を取り出せる様に、右手には魔法陣を展開しておく。

後10m程の所まで近づいた所で、黒のシルエットが言葉を発する。


「何故追いかけてきた?」


この言葉を聞いた瞬間に龍人の背筋を嫌なものが走り抜けた。

その言葉が意味するのは、追いかけられていたのを知っていたという事になる。そして、何処からが意図的なモノだったのかが重要になる。


「何処からだ?途中で気付いたのか?」


龍人の問いかけに女性のシルエットは淡々と答える。この距離まで来ても顔が見えないのはどういう事か。真っ黒に塗りつぶされたかのようになっている。


「…最初からだ。全てはお前をここに連れて来る為に行われた。」


「…!?じゃああの男のアレも演技だったのか。」


「いや、あの男は今回の計画の為に雇い、始末した。中途半端だと怪しまれるだろ?」


「お前…何がしたいんだよ!?」


自身の為に1人の命が奪われた事に、龍人の感情が爆発しそうになる。

それと同時に、自身の置かれている状況が途轍もなく異常である事を認識する。


女性のシルエットはゆらりと揺れる。


「何をしたいか。…か。それをお前に伝える必要は無い。さて、大人しく捕まってもらうぞ。」



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