表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
452/994

9-3-73.闇と実験



MagicShop男女男女を飛び出し、ドレッサーの脅威から解放された龍人は中央区の雑踏の中を歩いていた。

毎日店の場所が変わる中央区は迷うのが当たり前である。そうであるが故に、中央区は何度来ても飽きる事がないとも言える。


コーヒーでも飲んでひと休みしようと、お茶する?を探して歩き回った龍人だったが…そんな日に限って見つからないものである。

休もうと思ったが逆に疲れてしまった龍人は、さっさと南区に帰ることを決め、転送魔法陣に向けて歩く。


(お、やっと見えてきた。さっさと帰って夢幻を使ってみるかな。)


ふと、目の前を歩く女性の姿が目に飛び込んできた。


(なんだろ?なんか気になる。)


全身が黒に近い色の服で統一されている。そして、スラリとした体型。髪が夜会巻きにされているのが、細い印象を更に強めている。

しかし、これらの要素は龍人の注意を引いた小さな要素に過ぎない。何よりも気になったのが身のこなしだ。とても綺麗な歩き方をするのだ。一言で言えば、モデル。しかし、それでいて周囲の人々が振り返ったり、視線を送ることがほとんどない。


(なんで誰も気にしないんだ?)


歩く方向が同じな為、後ろ姿を眺めながら歩く。決してやましい気持ちがあって後ろを歩き続けている訳では…無いはずだ。転送魔法陣が見えてきた所で女性は立ち止まった。

よく見ると女性の正面には男が立っている。二言三言話した素振りを見せると女性は再び歩きだした。


そして、残された男の表情が龍人の視界に入る。

見開いた目、中途半端に空いた口。全てを失った人間の顔をしていた。


(…なんだ?何かおかしい。)


龍人の感じた違和感はすぐに形となって現れる。


「あ…が…ボコボコグジュボゴ…。」


その男は痙攣をすると口から赤い泡を吹き始める。


周囲にいる人々も異変に気づき、遠巻きに眺め始めている。


(なんだ?何が起きた?何がコレを引き起こした?…あの女が犯人か?)


龍人は咄嗟に視線を男の向こう側へ移す。その女性は人混みの中に姿を紛れさせようとしていた。


(男を助けるか?…いや、女を追う!)


龍人は己の直感を信じて駆け出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ