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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
433/994

9-3-54.闇と実験



ラルフは龍人の顔を見てショックを受けたのか、非難の声をあげる。


「おい、龍人。そんなに嫌そうにしなくてもいいだろーが。」


「いやぁー…だって勝てないんすもん。」


龍人がラルフと戦うのを渋るのは最もである。つい先程もラルフに完敗したのだから、そう思ってしまうのもしょうがない。


「じゃあ武器を作って貰うの諦めるか?ドレッサーさんの属性【魔工】は、魔法街唯一の属性で武具作成に関しては最高レベルだから、こんなチャンスは無いぞ?」


「んー…その武器を作ってもらっても、構築型魔法陣は使えないんだよな?」


「ん…そうだ。特殊過ぎるから他人に見られるのは極力避けた方がイイからな。展開型魔法陣にフォーカスした武器を持っていた方がいい。」


ラルフが余りにも真面目に返してくるので、龍人は反論する事が出来なくなってしまう。


「…じゃあ、戦うか。ドレッサーさんよろしくお願いします。」


「おい!俺に言えよ!」


「あらぁん。ラルフちゃんよりワタシに言うなんてっ。」


龍人とラルフのバトル第二弾のスタートである。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「…なるほどねん。展開型魔法陣を使った戦闘を間近で見たのは始めてだけど、魔法の発動速度がかなり早いわね。ん~、それにぃ、魔法陣って基本的にはその場で発動させるのに、龍人ちゃんは完成させた魔法陣を移動させるのね…ってなると…。分かったわよん!何日か時間を貰えれば、龍人ちゃんに最適な武器を作れると思うわ。」


「あの戦闘だけで分かるなんて、さすがはドレッサーさんだな。」


ラルフがドレッサーを褒めるが、横の龍人は浮かない顔だ。


「あの戦闘だけでって…ほぼラルフのせいっしょ。」


時を遡ること3分前。

龍人はバトルスタートと同時にストックしている魔法陣を一気に展開、分解、構築を行い猛攻を始めた。

ラルフが次元魔法で転移し、攻撃を避けることも考慮して、予備の魔法陣を周囲に展開する。

案の定、ラルフは転移で龍人の上空に姿を現す。そこに追い打ちをかける龍人。

ラルフはニヤリと笑い、右手を眼下の龍人に向けて翳す。その右手から放たれたのは波動だった。襲いかかる魔法群を一瞬で打ち消し、龍人を地面に叩きつけて試合終了。

戦いが始まってからものの1分程度。完全な敗北だった。



ラルフは楽しそうに笑う。


「確実に俺が圧勝したもんな。ま、あんま長く戦ってもしょうがないだろ。作ってくれるんだからオーケーだ!」


「いや、まぁそうなんだけどさ。」


「あん!あんあん!負けて悔しそうにする龍人ちゃん可愛いわねぇ!」


ドレッサーは擦り寄り、人差し指で龍人の背中をツツーを撫でる。


「ひっ!」


悪寒と快感?で龍人は飛び跳ねた。


「はいはい!龍人の味見はまた今度!」


「ああんー。つれないのね。」


「俺も色々と忙しいからな。よし、龍人帰るぞ?」


「全力でお願いします。全速力で一刻も早く転移を!」


身の危険を再び感じた龍人は必死だ。

ラルフはドレッサーに手を振ると龍人を連れて南区へと転移をしたのだった。



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