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Colony  作者: Scherz
第一章 魔法街 始まる者達
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2-7-27.授業 魔法学

 全員が基礎魔法を修了した翌週、久々に生徒全員がクラスに集まる。授業がずっとグラウンドで行われていた為、半分くらいの学生は朝は教室に寄らずに直接グラウンドに行っていたのだ。

 律儀にクラスに毎朝教室に顔を出す生徒もいたが、そもそも担任のラルフが全く顔を出さなかったのだから、集まる必要は無かったと言える。これらが理由で全員が揃う事が無かったのだ。

 因みに、龍人は勿論グラウンド直行組で、遼は教室立ち寄り組だ。仲の良い2人だが、性格は全然違うのである。

 何もない教室に顔を出すのが無駄だと判断した龍人と、一応何かあるかもしれないから教室に顔を出す遼。学生として正しい姿が遼なのは間違いない。


 さて基礎魔法に関してだが、基礎魔法の授業後、龍人と遼はどちらかの部屋に毎日集まって基礎魔法の特訓を続けていた。途中からその話を聞きつけた火乃花が加わった事で、互いの魔法の知識や技術の交換をする。結果として3人の実力が飛躍的に伸びたのは言うまでもない。

 クラスの全員が3段階目をクリアする頃には、この3人のみが矢を4本同時に操作する事に成功していた。

 そんな過程があった為、3人の仲は急速に縮まり、今も教室で集まって話をしている。


「この後の魔法学の授業、内容は何かしら。」

「内容は無いよう。」


 火乃花に対して寒いギャグで返した龍人の頭を遼は思わず叩いてしまう。ツッコミ成立だ。ついでにしっかりと火乃花の疑問に対する受け答えをする遼。


「きっとさ、実践に役立つ魔法の使い方を教えてくれるんじゃないかな。」

「実践に役立つねぇ。悔しいけど、変態先生の実力は本物だしね。」

「まだ変態先生って言ってるんだ。いいじゃん、減るもんじゃないし。」


 乙女の心は純情なのよ。とばかりに火乃花が龍人の頭を殴る。


「まぁ、役に立たない授業はしなさそうだから、期待してもいいかもね。私はあいつ嫌いだけど。」

「まぁまぁ、そこまで嫌わなくても。」

「遼君、なんでラルフの肩を持つよーな事言ってるの?」


 すると、火乃花に殴られて頭を机に伏していた龍人が頭を上げた。遼を見てニヤニヤし始める。それを見た遼は嫌な予感に襲われ、龍人の口を塞ごうと手を伸ばすが時既に遅し。


「そんなん決まってるじゃん。火乃花が胸を揉まれた時に、遼は顔を逸らしてたけど目は釘付けだったからなー。少し後ろめたくて、非難しきれないんでしょ。なんたってアレはね。見ちゃうって。」


 ここまで言われてしまったら言い訳は出来ない。遼はヤケクソになって龍人に反撃する。


「あれ?龍人も見てたんだ。てっきり興味ないのかと思ってたよ。」

「ねぇねぇ、2人とも。」


 低い声を出した火乃花を見た龍人と遼は動きを止める。目の前には素敵な笑顔の火乃花がいた。額に大きな怒りマークの付いた笑顔の火乃花が。

 数秒後、鈍器で殴る様な鈍い音が教室に響き、2人の男が机に顔をめり込ませた。



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