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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
416/994

9-3-37.闇と実験



幾つかの風刃を掠めながらも、ラルフは猪へ肉迫する。対する猪は風刃が弾かれた所で、別の魔法の準備をしていた。


「ぶおおおぉ!」


野太い咆哮と共にラルフ目掛けて竜巻が放たれる。近距離で放たれた竜巻を避ける術は無く、ラルフは呑み込まれてしまう。


その様子を見ていたルフトが笑みを浮かべる。


「ラルフにあんな程度の魔法が通じる訳ないってのにねー。」


ルフトの言葉通りに台風はいきなり拡散し、消滅した。


その中から現れたのは、勿論ラルフである。ほぼ傷を負わずに、余裕の表情で猪の真上に浮かんでいる。


「さてと。中途半端な攻撃はしないぞ?覚悟しな、イノシシさんよ。」


ラルフは笑みを浮かべると、急にその場から姿を消す。次元属性の魔法を操るラルフの得意魔法…転移だ。

ラルフは猪の後ろに姿を現すと、一直線に斬撃を放つ。斬撃はユラユラとした空間の歪みとして残る。ラルフは猪の周りに不規則に転移し、斬撃を飛ばす。斬撃は直線を中心とし、中には曲線も織り交ぜられて行く。


ラルフの攻撃を離れた所で見ていた龍人が声を上げた。


「マジか。こんな方法でやるとはね…。」


龍人の横に並ぶ遼が不思議そうな顔をして龍人を見るが、龍人は感心した顔でラルフの戦いを眺め続けている。

すると、横を向いていた遼の目に光が飛び込んできた。何事かと光の方向を見た遼は目を丸くする。


そこには、猪を囲む様に立体魔法陣が組み上がっていた。それを構成するのは、ラルフが飛ばした斬撃の軌跡に残った空間の歪みだ。

遼の隣に立つ火乃花が、驚きを洩らす。


「…あの斬撃を残して魔法陣を使うのも凄いけど、ラルフって何種類の魔法を使えるのよ。」


火乃花が驚くのも無理はない。

基本的に魔法使いが実戦で使える魔法は1種類である。

しかし、ラルフは違った。

普段使う魔具魔法に加え、呪文魔法と精霊魔法の組み合わせである呪文精霊魔法、そして今発動しようとしている魔法陣魔法。既に、この短い戦闘の中で4種類も使っているのだ。


火乃花達の驚きを余所に、ラルフは組み上がった立体魔法陣を発動させた。



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