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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-36.闇と実験



風刃をばらまく猪の上空に到着したラルフは、眼下にルフト=レーレを見つける。


(げっ。ルフトじゃん。アイツは実力はあるんだけど、調子に乗ると自由人満載だから厄介なんだよな。)


ラルフが見る限り、ルフトは平然とした顔で風刃を捌いている。


(ま、大方周りにいる負傷者を守らなきゃいけなくて、身動きが取れなくなったってとこか。)


自由に動き回って戦うルフトが、一箇所に落ち着いて戦っている理由を推測した所で、ラルフは猪の様子を観察する。時々飛んで来る風刃は空間の歪みで弾いているので、ほぼ問題が無い。

ここでラルフは1つの事実に気付く。


(今までの…っても、俺は犬しかちゃんと見てないが、龍人達から聞いた熊の様子を考えても…暴れ過ぎだな。犬とかは知性があった感じがすんだけど、この猪は全力で魔力を放出してるみたいだ。)


ふむ。とラルフは顎に手を当てる。


「ま、後でルフトに聞いてみんのが早いか。…うしっ!パパっと決めるか。」


ラルフは両手をダランと下ろすと、呪文を唱え始める。


「狭の精霊よ、我に力を貸したまえ。繋ぐ力は過ぎたる事で別つ力へ。別つ力は消滅を誘引するものなり。我、その現象を剣と成して敵を葬らん!」


空間が歪む。それは拡大し、辺りに居る者の目を全て引きつける程の圧力を発する。そして、その歪みはラルフの右手へと収束し剣の形を成した。


「さてさて、次元を司る精霊剣の威力見せてやるか!」


ラルフは頭を視点に足を上にあげて回転する。そして、猪に頭を向けると足下で空間を破裂。それが生み出す莫大な推進力で猪へと一直線に突き進んだ。


猪はラルフが精霊呪文魔法を使った時点でその存在に気付き、周囲を秩序なく破壊していた風刃をラルフに集中させ始めていた。


弾丸の様なスピードで接近するラルフに、猪は風刃で切り裂かんと反撃。風刃による壁とも表現ができる程の密度。このまま突き進めば、切り裂かれてしまう事は間違いないのだが…ラルフの表情はいつものニヤリとした笑みのままである。風刃が眼前に迫ると、ラルフは右手の剣を水平に一振りした。すると、剣の軌道に合わせて空間が裂ける。そして強制的に切り裂かれた空間が戻る力が一気に働き、爆発を引き起こす。


爆発に巻き込まれて大多数の風刃が掻き消され、そこで生じた僅かな隙間をラルフは突き抜けた。



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