表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
408/994

9-3-29.闇と実験



バルクは先程と同じく、拳を後ろに引いた状態で待ち構える。


「うおりゃ!」


気合いの掛け声と共に、全身を使って身体を捻りながら拳を地面に叩きつけた。

地面に魔力が伝達、猪の前脚部分が隆起し、後脚部分が陥没。そこに猪がスッポリとハマる。…予定だったのだが。


猪は前脚部分の地面が隆起する直前に跳躍をする。


「…は?」


地面に着地した猪の後ろで隆起と陥没が発生してしまう。


(おいおい。なんで動物の癖に魔法が発生する地点が分かるんだよ…?…もう一度だ!)


着地した猪は何故か動きを止めている。バルクはもう一度拳を地面に叩きつける動作に入る。

その動作に合わせる様に猪は突然前脚を高々と上げ、地面を踏み抜いた。


「…っ!?」


バルクはここで引き起こされる現象に言葉を発することができない。バルクの放った属性魔法が、猪が地面を踏み抜いた時に放った属性魔法に打ち消されてしまったのだ。そして、猪の属性魔法が引き起こしたのは、地面の粉砕だった。


猪を中心に円状に地面が割れて行く。割れた地面は波の様にうねり、周囲を呑み込んでいく。


「ブオオオォ!」


一際大きな声で猪が雄叫びを発すると、衝撃波が発生。瓦礫と化した地面や建物を吹き飛ばした。


「ぐっ…!」


衝撃波で吹き飛ばされたバルクは、なんとか着地をすると猪を睨みつける。


(さっき魔法が発動しなかったのは…多分豚っ鼻の魔力の方が高かったんだろ?ってことは、俺に勝ち目ねーじゃん!)


今ここで逃げるわけにはいかない。しかし、逃げずに戦ったとしても結果が見えてしまっている。


「くそっ!」


バルクはどうすれば良いのか分からなくなっていた。今まで、全く歯が立たない相手に出会ったことが無いのだ。そして、初めて出会った状況が状況である。


猪はまだ倒れないバルクを見ると、イラついた様に頭を振り回す。


「ブオオオォ!ブヒッブヒッ!」


激しく鼻を鳴らすと、身体の周りに風を発生させて纏う。

そして、蹴る地面を砕きながら宙へ飛び上がった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ