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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-27.闇と実験



3度目の爆発が起きた街魔通りの北端。それは街魔通りと、行政関係の建物が密集する北側地域との境目、街魔通り上で起きた。


爆発後の煙が晴れると、そこに佇むのは強大な2頭の猪だった。


そして、この現場に偶然居合わせた人物…。

赤髪の短髪がソフトモヒカンにセットされた、筋肉質の身体を持つ青年…バルク=フィレイアである。


「おいおい、なんだこれ!爆発もすげーし、この猪のデカさもやべぇ!」


猪は頭を振りながら前脚で地面を掻き始める。


(あれって…きっと走り始めるんだよな?やばくねーか?)


バルクは周りを見渡すが、殆ど人が居ない。


「しゃーねぇ!覚悟を決めるか!」


バルクは両手にグローブをはめると、猪に立ち向かう。


2頭の内、1頭は何を考えたのか、脚を折り地面に座り込む。もう1頭はブルルと鼻を鳴らすと、建物に向かい疾走を始めた。

猪の全長はおおよそ4m位か。激突すれば建物が崩壊する事請け合いである。

これを止める為、バルクが魔法を発動させる。


「止まれ!この豚っ鼻!」


地面が隆起し、巨大な壁となって猪の行く手を阻む。猪は壁にぶつかり、頭を揺らして倒れてしまう。…バルクの中ではそんな予定だったのだが、現実は違った。


壁はいとも簡単に破壊され、猪は建物に突っ込んで行った。ドガァンという音と共に建物は崩壊する。


「ブルル。」


猪は瓦礫となった建物からのっしのっしと出てくると、その目をバルクに向けた。


「を?…マジかよ。地面の壁じゃ、止めらんないってか?」


猪は再び前脚で地面を掻くと、バルクを目指して疾走する。


(なら、コレで!)


バルクが地面に手を付けると、コンクリートが腕に纏わり付く。あっという間にコンクリートに覆われた巨大な腕が完成する。


「これで、ぶっ飛ばす!」


バルクは大きく振りかぶると、身体能力を強化、地面に脚を固定し衝撃に備える。そして、肉迫する猪の豚っ鼻目掛けて腕を振り抜いた。


ここで目の前の猪が普通の猪では無いという事実が、バルクに突き付けられる。バルクのコンクリート腕が直撃する瞬間、猪の鼻を中心として風の渦が発生したのだ。


(…は?猪がなんで属性魔法使ってんだよ!?)


風の渦とバルクの腕が激突、その衝撃で猪は軽く後ろに仰け反ってしまう。しかし、バルクの方も無傷では無かった。コンクリートの腕にヒビが入り、砕けてしまったのだ。


(マジィな…!)


猪は仰け反った後に態勢を整えると、直ぐさま突進を再開する。


対抗手段が思いつかないバルクには、横に飛び退く以外の選択肢が無かった。ギリギリの所ですぐ脇を猪が通過、バルクの後方に位置する建物を崩壊させる。



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