9-3-26.闇と実験
街魔通り中央で戦う龍人、ルーチェ、遼、火乃花も3度目の爆発に動揺していた。
龍人は熊の拳を防御壁で防ぐと、ルーチェに声を掛ける。
「ルーチェ!今の爆発、今迄で1番大きいよな?」
「そうですわね…。嫌な予感しかしないのですわ。」
ルーチェは龍人が防いだ後ろから光球を出現、熊を取り囲む様に配置をしてレイを発射しながら答える。光の密集体であるレイが当たる事で、熊が涎を撒き散らしながら身悶えする。
龍人はその隙に魔法陣を展開、水を熊に向けて放出。続け様に冷気を放ち濡れた部分を凍結させる。
「今…ここから誰かが抜けるのはキツイよな…。誰かが爆心地に居ると良いんだけど。」
「早くこの熊を倒して、向かいますのです!」
「そうだな…!一気に仕掛けるぞ!」
「分かりましたのですわ!」
何故か異様に息が合う龍人とルーチェは、熊に向けて怒涛の攻撃を始める。
一方、遼と火乃花は…。
あまり連携が取れていなかった。
焔剣の軌道上に現れる遼の重力弾に、慌てて剣を止める火乃花。
「ちょっと遼君!なんで、攻撃する所に撃ってくるのよ!?」
「いやいや!火乃花が銃の射線上に割り込んで来るんでしょ!」
「助けにきたなら邪魔しないのが普通でしょ!…きゃ!」
言い合う火乃花に熊の右手が襲いかかる。火乃花は慌てて後方へと飛び退いた。
遼の隣に着地した火乃花は、遼に提案をする。
「遼君、私がメインで攻撃するから、サポートをお願いね。早くこいつを倒さないと…。さっきの爆発が気になるわ。」
「…分かった。基本的に熊の攻撃を弾くのと、動きを止めるのに注力するよ。行くよ?」
「頼んだわよ。熊なんかに負けるもんですか。」
遼が双銃を構え、火乃花はクマに向かって突撃を開始する。
龍人とルーチェ、遼と火乃花。
それぞれのペアに対峙する熊が一匹ずつ。
残りの倒れている2頭の熊の手がピクリと動く。
そして、場面は3度目の爆心地へと移る。




