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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
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9-3-21.闇と実験



龍人が属性矢を撃ち始めるのを見た遼は、龍人が吹き飛ばした2頭の牽制に入る。両手を振り下ろした熊が引き起こした衝撃に軽く飛ばされはしたが、遼は殆ど無傷の状態だ。重力弾を連射し、着弾部分に負荷を掛けていく。

10発程当てるが、熊の動きは僅かに鈍った程度に収まる。


(いやいや、ワケが分かんないよ。どうやって倒せばいいのさ。)


遼はまたしても属性が1つしか使えない事の限界を感じてしまう。


「くそっ!」


双銃に魔力をチャージ。白の銃ルシファーと蒼の銃レヴィアタンが淡い光に包まれる。

遼はそのまま熊が近付くのを待ち構える。


2頭の熊が遼に向かって口を開け、牙を剥き、涎を飛び散らせながら飛び掛かる。


「これでも…喰らえ!!」


双銃の淡い光の輝きが増し、それぞれから巨大な黒い球体が射出される。それは熊を呑み込むと、その場に留まる。中では熊が球体から出ようと動くが、強固な檻の様に逃すことはない。


(このまま重力に押しつぶされてくれれば…!)


遼の願い通りに熊の動きは段々緩慢になっていき、遂にはその動きを止めた。


「…やったのかな?」


遼は近づこうとして、動きを止める。


(いや、なんかオカシイよね。重力の球の中で全方位から負荷が掛かってるのに…。もしかして…)


遼に続きを考える時間が与えられる事は無かった。

動きを止めていた熊の体を魔力が包み、重力球を内側から破壊したのだ。


「ぐおぉぉぉぉ!」


2頭の熊から迸る魔力。それは遼に絶望を与えるには、充分な圧力を秘めていた。


無意識に足が後ずさる。銃を持つ手が震える。


恐怖


遼の心はそれに蝕まれ始める。

失われる戦意。


「あ…。あ…。」


足から力が抜け、尻餅を付いてしまう。

遼の様子に気づいた火乃花が何かを叫んでいるが、それすらも耳に入らない。

ゆっくりと近付く熊が遼の視界を埋め尽くす。


熊は遼の顔を覗き込み、顔を傾げる。


「ガウ…。」


後ろからもう1頭の熊が近づき、仁王立ちをする。それに呼応する様に、遼の顔を覗き込んでいた熊も仁王立ちをする。


そして2頭の熊は腕を上げ、肘を後ろに引くと、遼に向けて突き出したのだった。




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