2-7-24.授業 基礎魔法
火乃花の後ろで腕を組みながら立つラルフは相変わらずニヤニヤしている。その笑みがいやらしく見えてしまうのは本人の持つ性質の故か。ともかく、ラルフは3段階目をクリアした生徒が出たことで上機嫌である。
「龍人と遼は気付いたみたいだが、他の奴らはまだかな?ま、そろそろ教えてやるか。じゃあ…そうだな火乃花、俺が教える通りにやってみろ。」
、ラルフは座っている火乃花の後ろから前に手をまわすと、胸を鷲掴みにして立たせた。ラルフの手が柔らかい部分に喰い込み、卑猥な形を演出する。
「きゃっ。ちょっと先生!何するんですか!?」
火乃花の巨乳はラルフの手から余るボリュームを誇っており、より一層巨乳感が増している。その素敵な光景を見た周りの男子生徒達がどよめく。
「おい、あれってセクハラだよなぁ。」
「だけど見ろよ。やばいぜ」
「ちょい、俺も上手く便乗出来ないかな。」
「なぁなぁ、火乃花さんの胸のサイズ知ってるか?」
欲にまみれた男子生徒達が囁きだす。女子生徒達の中にも羨ましそうに火乃花の胸を見つめる人が居る事を考えると、ラルフの行動は案外生徒達の為になっているのかも知れない。倫理観はともかく…ではあるが。
勿論、ついさっき火乃花の胸に見惚れてしまった遼も少し顔を赤らめて顔を逸らしながらも、目だけはしっかりとその光景を見ていた。
龍人は相変わらず興味が無いのか、先ほどクリアした時に使った矢を頭の上でくるくる回している。いや、興味が無いはずは無いのだが、この後に起きる事を考えると興味が無い振りをするしか出来ないのかも知れない。怒れる女は怖いのだ。
「いい加減離して下さい!変態!馬鹿!アホ!痴漢!」
火乃花の右足が後ろに跳ね上がり、ラルフの大事な所を踵で抉るように強打した。
辺りが一気に静寂に包まれる。聞こえるのは風の音と、別のクラスがグラウンドで授業している音や声が遠くから微かに聞こえるだけだ。
静寂を破ったのは深刻なダメージを受けたラルフが倒れる音だった。時折ピクッと痙攣しているのは…錯覚だろう。同時に、男子生徒全員が一歩後ろに引く音が響く。
この瞬間、火乃花は全ての男にとって恐怖の対象でしかなかった。
「先生。私の胸揉んだんだから、しっかり説明してもらうわよ!」
今…この場で火乃花に抵抗出来る男は存在しない。




