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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
374/994

9-2-31.獣



少女は母親が崩れ落ちるのを見て、ようやく危機を察知する。


「え?なんで?なんでぶつの!?おにーちゃん悪い人なの!?」


しかし、幼い女の子に謝るという選択肢は無かった。母親をぶたれたという事実に対する怒りが先行してしまう。

女の子は自身の頭を掴む手を必死に叩く。


「いってぇなぁ?おい?とりあえず、お前はこいつの血肉になれよ?」


ロジェスが左手に持つクリスタルが輝く。


「くぅ。これだ。これだこれだ!悔しいが俺にはこれがなきゃダメだ!やめられねぇ。やめられねぇよなぁ!?」


「ひっ…。」


少女は間近で見る狂喜に恐怖を覚える。

「死」。幼い女の子の脳裏にそれが過る。


「ん?」


不意にロジェスが辺りを警戒する。


「だれかいるのか?」


少女の頭がギリギリと締め付けられる。少女はその強烈な痛みに泣き叫ぶが、ロジェスは興味がない。


それは突然現れた。

ロジェスの目の前に文字通り「突然」現れたのだ。

まず目に入ったのが金髪の短髪。そして、デブちんちっくな体型。それは魔法街南区で有名な魔法使いの1人…ラルフ=ローゼスだった。


「ほれ!」


軽い掛け声と共にラルフから掌底が繰り出され、ロジェスの顎を下から打ち上げた。


「がはっ…!」


ロジェスは仰け反る様にして地から足を浮かせると、後方に倒れ込んだ。

右手に掴んでいた…掴んでいた筈の少女は、いつの間にかラルフに抱っこされている。


ロジェスは口の中に広がる血を吐き捨てながら立ち上がる。


「てめぇ…ナニモンだ?俺の邪魔をすんじゃねぇよ。」




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