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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
370/994

9-2-27.獣



火乃花が探す人物はすぐに見つかった。

学生達がたむろする中、スーツ姿の男が暑そうにしながら立っている。

火乃花とルーチェが近付くと、恭しく一礼をしてきた。


「どうも。ルーチェさん、火乃花さん。わざわざ御足労頂きまして有難うございます。早速話をしたいのですが…ここでは場所が悪いですね。私の行きつけの店に御案内させて頂きます。」


意外に丁寧な言葉遣いと有無を言わさない雰囲気に、火乃花とルーチェは黙って頷き、スーツの男について歩き始めた。



意外にも案内されたのは「お茶する?」だった。以前、火乃花が龍人、遼、レイラを案内した喫茶店である。

店内の個室に入り、注文したアイスコーヒーが3つ運ばれてきた所で、スーツの男が話し出す。


「あまりグダグダと話すのは趣味ではないので、簡潔に報告させて頂きます。予めお伝えしておきますが、これからお伝えする事は今回の事件との関連性は極めて低いという事を覚えておいて下さい。その上で、念の為調査をする必要が有ると判断した事項です。」


スーツの男はアイスコーヒーをひと口飲むと、しっかりとした苦味が味覚を刺激するのを楽しみ、再び話し始める。


「今回の通り魔事件が起きる前後での南区に関する大きな変化を探ったところ、中央区から南区への動物の出荷が著しく増えています。約2倍程度ですね。ただ、南区のペットショップは増えていません。余りにもこの出荷の増え方が不自然すぎますので、これに関する調査をお願いします。通り魔事件との関連性が認められなかった場合には、すぐにこの件に関する調査は打ち切って頂いて大丈夫です。…何か質問は?」


ルーチェはスーツの男から得た情報と、アダルツから得た情報を頭の中で擦り合わせて行く。


そこから導き出される言葉。


(そういう事になりますわね。わたくしの推測が当たっていたら…大変な事態ですの。)


辿り着いた1つの過程にルーチェは身を震わせる。


「特に質問はありませんわ。」


チラッと横を見るが、火乃花も軽く頷いている。


「そうですか。それでは、あなた達の現時点での調査結果を教えて下さい。」


「分かりましたですの。」



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