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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
359/994

9-2-16.獣



渡された資料に書かれていた内容は以下の通り。


☆警備

→依頼主…シェフズ=ソーサリ

→詳細は店主から直接聞く事

→期間…状況が改善されるまで。長期に渡る可能性あり。


「なあ…詳細って言っても、依頼主以外は何も書いてないのな。」

「本当だね。…俺はシェフズが依頼主ってだけでイヤな予感しかしないよ。」

「確かに!こき使われそうだわ。…ま、いつもお世話になってるし頑張るか!」


遼は、ちょっとした沈黙を挟んでやる気を出した龍人を見る。そして、小さく笑みを浮かべる。


「龍人さ、今レイラが働いてるの思い出してやる気出したでしょ?」

「…ん?そんな事ないしー。」

「……。」


遼はやや真顔で、無言で、龍人を見る。


「ちょっ!何を疑ってんだよ!?ないないない!」


勝手に焦り出す龍人を見る遼の顔が、少しずつにやけ始める。


「ふ~ん。じゃ、そゆ事にしとこっか。」

「いや、そゆ事にしとくってどゆことだしよ!?」

「そゆ事はそゆ事だよ。」

「そ~ゆ~事じゃなくて、そゆ事?」

「あ、またワケ分かんない事いいだした。じゃぁ、もうさっきの話題は終わりだね。」

「あ…!いつもの癖で。…じゃなくて!変な誤解しなくていいから!」

「誤解っていうか、皆気づいてると思うけど?」


ワァワァ騒ぎながら歩き去る2人を眺める受付の男。


「…不安だ。」


小さな呟きは廊下に吸い込まれていった。



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