9-2-15.獣
「本当にいいのか?この依頼はかなり危険だぞ?特にお前らみたいなDランクに成りたてのギルド初心者が手を出して良い依頼じゃない。」
「え?じゃぁなんでDランクにも登録されてるんですか?」
「それはだな…依頼主の意向だ。それ以上は言えん。」
龍人がニヤリと笑う。
「依頼主の意向だけど、その条件で依頼を載せてるってことは、ギルド側も容認してるって事ですよね?Dランクは条件付き。みたいな感じになってます?」
受付の男の眉がピクリと動く。
「そこまで読んでくるか。それだけの思考力があれば…まだ大丈夫かもな。いいだろう、見せてやる。」
龍人は小さくガッツポーズをすると資料を受け取る。遼も龍人のやる気に苦笑いをしながら、隣で資料を見る。
「なんだこりゃ。警備?こんなんがBランク指定ってのが驚きだわ。」
「でもさ、D×80だよ?この依頼をすれば、Cランクにかなり近づけるよ。」
受付の男が会話に割り込む。
「…一応説明しておくが、D×80の場合2人で依頼を完了したら、1人D×40で換算されるからな。」
龍人が頷く。
「なるほどね。まぁ、それでもあの掃除地獄に比べたらまだマシだろ。」
「じゃあ依頼受諾でいいかな?」
「もちろん!」
「…全く。こんな不安な奴ら久しぶりだな。」
受付の男は依頼を受諾する手続きを行う。
「ほら。これが依頼受諾者が見れる更に詳しい情報だ。」
龍人と遼は手渡された情報を見ると、目を丸くした。




