表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
355/994

9-2-12.獣



コンコンコン


ドアがノックされる。


「入るのである。」


街立魔法学院の校長室。ドアを開けて入ってきたのは、ラルフ=ローゼスだった。


ヘヴィー=グラムは、ソファーに深々と座りリラックスムードでラルフを迎え入れた。

ラルフは向かいのソファーに座るなり口を開く。


「校長、今日は何で俺を呼んだんですか?」


「ふむ。ラルフも意地が悪いのである。もう分かっているのじゃろ?」


ラルフは視線を宙に漂わせ、考える「フリ」をする。


「そうですね。色々思い当たる事があるんですが。上位クラスの面々が抱える問題について。生徒間の恋愛沙汰が増えてきた問題。とかですかね?」


「ふむ。ラルフ。関わりたくないのかと見える。じゃが、お主の立場上それは難しいのである。」


ラルフは相変わらず分からないフリを続ける。


「ん?ヘヴィー校長。何を言ってるんですか?他に大きな問題なんてありました?」


ヘヴィーは目を細めると、ソファーから立ち上がり、指をパチンと鳴らす。すると、右手には1本の杖が握られていた。


「さて…ラルフが少し腑抜けた様なのである。根性を叩き直してあげるのである。覚悟するのじゃよ?」


ラルフは硬直した。


「げっ。校長…本気っすか?」


「勿論なのである。」


「今からあの場所に転送するでの。あそこなら何も気にせずに魔法を使えるのである。」


ヘヴィーが喋り終わるのと同時に杖が輝き始めた。

慌てるラルフ。


「分かりました!校長にいじめられる位なら、ちゃんと協力した方が何倍もマシです!やりますよ!やりますって!通り魔事件の事ですよね!?」


ラルフがここまで慌てるのを考えると、ヘヴィーの実力が相当な物だと想像する事ができる。流石は街立魔法学院の校長と言ったところか。


ヘヴィーはやや口を尖らせながら杖を消した。


「なんじゃ。久々に思い切り魔法を使えるかと思ったんじゃが。つまらないのである。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ