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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
345/994

9-2-2.獣



翌朝、街魔通りはいつも以上の騒々しさに見舞われていた。その原因は、昨夜起きた「通り魔事件」の為だ。

事件現場は街魔通りから一歩裏に入った住宅地域。

そのあまりの惨劇に誰も気づかなかったことから、結界が張られていたとの予測まではされている。

警察は周囲に立ち入り禁止区域を設定、現場検証を徹底的に行っている最中だ。


魔法街南区では滅多に起きない事件。その現場を見ようと、多くの野次馬が押し寄せているのだ。

決して褒められたものではないが、それでもしょうがない事だろう。


そんな野次馬の群れを見つけ、足を止めたのは、高嶺龍人だった。

ギルドの依頼で城(家)掃除に勤しんで4日。やっと半分の部屋が終わり、今日もこれから掃除に向かう所だった。


「なんだこれ?」


龍人は不審な目でその人混みを見る。その人混みに居る人々は、苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべて居る人ばかりで、楽しそうな表情をしている人は1人もいない。


(楽しい事じゃなさそうだし…変に巻き込まれると、掃除が終わんないか。後で誰かに…。)


龍人がその場を立ち去ろうとすると、後ろから声を掛けられた。


「あ、龍人君!おはよー!」


振り向くと、レイラだった。

偶然にも、龍人が立ち止まっていたのは魔法の台所の前だったらしい。


「ん?おはよー。今日も朝からバイト?」


「うん!最近商品の知識が付いてきたから、前より楽しくなってきたよ。」


ニッコリと笑うレイラを見ていると、こちらまで嬉しくなってしまう。

見惚れてしまいそうになった龍人は、シェフズの姿を視界の端に収め、慌てて話題を変える。


「あそこの集団って何なのか知ってる?」


「んー、私にも分からないんだ。最初は警察が来てたから、何かの事件だとは思うんだけど。」


「そっか。街魔通り沿いで起きたのかな?何にせよ物騒だわな。レイラも気をつけろよ?」


「うん!龍人君もね!」


龍人とレイラは目を合わせ、笑みを交わす。

そして軽く別れの挨拶を交わすと、それぞれのすべき事の為に行動を再開する。



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