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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
340/994

9-1-5.魔法協会ギルド



門の中、その屋敷…城の敷地内は広大だった。外から見るよりも更に広い。

恐らく空間拡張の魔法が敷地内に掛けられているのだろう。


龍人は感心して周りを眺めながら城へと向かう。

門の外から眺めた時は、城は門を入って10m位の所にあったのだが、今は100m以上先に聳え立っている。

あたり一面は芝生に覆われ、池もある。のどかな風景の中を進み、城へと到着した龍人を出迎えたのは、巨大な扉だった。


扉の前に立つのと同時に、それはゆっくりと開く。


扉の内側には、人の良さそうなお婆ちゃんが立っていた。腰が曲がり杖をついているが、柔らかい表情、雰囲気を携えている。


「あ、こんにちは!ギルドの依頼で来た高嶺龍人です。」


「よく来たねぇ。私1人で住んでいるから、掃除が大変でねぇ。月に1回はギルドに頼んでいるんだよ。こっちにいらっしゃい」


「はい!」


元気良く返事をした龍人を眩しそうに、目を少し細めながら見ると、微笑み、家の中へと歩き出した。龍人もその後ろをついていく。


家の中は、外見に比べると幾らか質素な印象を受けた。豪華な造りで埋め尽くされている訳ではなかった。どちらかというと、飾らない豪華さと言った所か。


1階の奥の部屋へと進んで行くと、小さな小部屋に通された。


「ここが、私がいつも過ごしている部屋だよ。他の部屋に比べると小さいけど、これ位が1番落ち着けるのよねぇ。」


お婆ちゃんは話しながら何やらゴソゴソしている。


「あったあった。そこに座りなさい。」


「あ、はい。失礼します。」


龍人が指し示された椅子に腰掛けると、お婆ちゃんも反対側に座り、何やら紙を広げ始めた。


「これは…、この家の見取り図ですか?」


「そうよ。今居るのがここでね、掃除して欲しいのが、こことこことここと……こことこことここね。」


掃除をする場所の数に龍人は絶句する。


「えっと…これ、1日で全部っすか?」


「いいえ。これを1日で終わらせるのは、ギルドランクでB位の実力がないと無理だからねぇ。どれだけ時間が掛かっても大丈夫だからね。」


ほくほくと微笑みながら告げたお婆ちゃんの台詞に、龍人は引き攣った笑みを浮かべる事しか出来なかった。



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