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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
338/994

9-1-3.魔法協会ギルド



「あの男、何も話さずに推薦状を渡したのか。…そうだな、ラルフ=ローゼスのギルドランクが高いという事だけ言っておこう。個人情報は基本的には開示して無いからな。」


受付の男の意味深な台詞。ラルフがギルドに所属しているならば、ギルドランクが高いのは用意に想像できる。しかし、何故そこに含みを持たせるのか。その真意を図りかねる龍人と遼。


そんな2人の様子を眺めていた受付の男は問いかける。


「で、今日は何か依頼を受けるのか?」


「あ、えーっと、どうする遼?」


「んー…せっかくだし受ける?」


受付の男は台帳をパラパラとめくる。


「Eランクの依頼は今の時点で…28件だな。ほら。」


受付の男が指を鳴らすと、龍人達の目の前に紙の束が現れる。


「その中から好きなのを選べ。」


「ありがとうございます。…って、依頼ってこんなんばっかなんですか?」


龍人がめくった紙には、お使いとしか言えない様な依頼が並んでいた。


犬のお世話

買い物の荷物持ち

害虫駆除

子供のお守り


などなど。


「Eランクなんてそんなものだ。ギルドなんて、所詮は便利屋みたいなものだからな。」


龍人があからさまに嫌な顔をする。


「うへぇ。早くギルドランク上げなきゃな。」


「でも、結構時間かかるんじゃない?DランクってEランクの依頼を20件こなしたらですよね?」


遼の問いに、受付の男が頷く。


「ああ。そうだ。一般的にギルドらしいと思われている依頼はCランクからだから、更にDランクの依頼を40件する必要がある。」


龍人が更に面倒臭そうな顔をする。


「えー。ランクをすっ飛ばす方法はないんすか?」


「ない。」


「うへぇ。」


ひと言で断定された龍人は、面倒臭そうに頭をガシガシ掻く。


「いいじゃん。依頼をすれば報酬がもらえるんだから。そもそもその為のギルド加入じゃん。」


「そうなんだけどさぁ。やるならスリルがあった方がねぇ?」


「まぁいいや。俺はこの依頼を受けるね。」


取り合うのが面倒臭くなった遼は、さっさと依頼を受諾してしまう。


「あっ、ズリィ!」


龍人は慌てて依頼の紙をめくり、特に内容も見ずに受付の男に突き出す。


「俺はこれ!」


「ふむ。じゃあ、頑張る事だ。」


受付の男の無表情な返事と共に、依頼が受諾された。



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