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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
334/994

8-6-8.夏休み、ルーチェの場合



街魔通り沿いにある中華料理専門店『中華帝国』。その1室にルーチェ、龍人、遼、ラルフは座っていた。


「やべぇ、めっちゃ美味い!」


餃子を頬張った龍人が叫ぶ。


「なにこれ!?噛んだ瞬間にパリッとした皮の内側から、ジューシーな液体が溢れ出て来て、そこから香る香ばしい匂いが鼻腔を刺激する!」


「おい龍人。真面目な話してんだから、少しは静かにしろって。」


ラルフが冷たい声で責めるが、龍人はどこ吹く風だ。


「いやいや!喰ってから言ってくださいよ!はいっ!」


龍人は餃子を箸で掴むと、無理やりラルフの口へ突っ込んだ。


「てめへ!なにすん…うめえ!」


ニコニコとその様子を眺めるルーチェ。そして黙々と食べ続ける遼。


30分後、皆が満腹になり落ち着いたところで、再び会話が始まる。


「でよ、最近何者かに襲われる事件が増えてんだよ。」


「犯人は全然分からないんですか?」


遼の問いに、ラルフは困った様に眉を寄せる。


「それがよ、被害者は全員、相手が動物みたいな姿だったって言うんだよ。しかも、全員やられた属性魔法がバラバラなんだよなぁ。」


「複数犯じゃないすか?」


龍人からの尤もな指摘。


「まぁそう考えるのが妥当なんだけど、狙う場所の環境、時間帯、狙い方が複数犯にしては偏ってんだよな。」


話を聞いていたルーチェが、両手を添えて飲んでいたティーカップを静かに置くと、思いついたかの様に話し出す。


「そう言えば、お父様とお母様が大切な案件があるからと言って、朝早くから出掛けたらしいですわ。もしかしたら、その話に関係があるかも知れませんわね。」


「あ。」


と、声を上げたのは龍人。


「そういや、俺が入院してる間も急患がちょくちょく来てたよ。看護師が最近急患が多いってボヤいてたわ。」


全員が考え込む。


話を聞きながらお茶をすすっていた遼は、キョトンとした顔でひと言。


「捕まえればいいじゃん。」


ごもっとも。しかし…


「あのなぁ、それが出来りゃ苦労しないって。」


やれやれといった風にラルフは首を振る。


「や、だから、動物みたいな姿って事は、多分普通の魔法反応じゃないはずじゃん?だから、そこだけに絞って南区全体に探知結界を張れば良くない?」


「あのなぁ、遼。」


龍人が呆れた声を出す。


「南区がどんだけでかいと思ってんだよ。いつ起きるか分からない事件のために、そんな巨大な結界を張り続けたら、魔力がもたないよ。それに、怪しまれて犯行が起きなくなる可能性もあるって。」


「あ、そっか…。いい案だと思ったんだけどなぁ。」


「いや、待て。」


ラルフは何かに気づいたかのように考え込む。



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