8-6-7.夏休み、ルーチェの場合
突然龍人が声を張り上げる。
「いやー!流石は街立魔法学院教師のラルフだわ!面白すぎる!座布団3枚!」
その言葉を聞いた遼はニヤリと笑い、追い打ちをかける。
「確かに!俺には思いつかない!よっ!一流!」
一流。の言葉にルーチェが反応する。
「まぁ!今のが一流なのですね。お笑いには疎いので、良い勉強になりましたわ。ラルフ先生、ありがとうございます。」
ルーチェは微笑むと、とてもお行儀良くお辞儀をする。
「わ、悪かった!俺が悪かったからもう終わり!」
ラルフは既に冷や汗ダラダラだ。そんなラルフの反応に、龍人があからさまにつまらなそうな顔をする。
「全然反応してくんないんすね。ちっとつまらん。」
「つまんなくて悪かったな!ったく、折角ギルドの推薦状を持って来たってのに。」
「お、マジすか!ありがとうございます!」
龍人はラルフに両手を差し出しながら90度のお辞儀をする。
「ホント厳禁な奴…。」
ラルフの深い深いため息が夏のの青空に吸い込まれていった。
「では、お食事に参りますわよ。」
ルーチェはスタスタと歩き出す。
慌てて追いかける龍人、遼、ラルフ。
予定より1人増えたが、楽しいお食事会のスタートである。




