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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
321/994

8-5-3.夏休み、遼の場合



コンコンと職員室のドアをノックし開ける。


「失礼しまーす。ラルフ先生はいらっしゃいますかー?」


職員室の中はガランガランだった。誰もいない。こんなので、防犯上大丈夫なのか?と危ぶんでいると、遼の視界に雑誌を持った手が見えた。


「おーう、遼!ここだここ!にしても、ラルフ先生だなんて珍しい呼び方するな!」


「他の先生が居るかも知れないのに、ラルフって呼び捨ては出来ませんよ。」


「ほんと、打算的な男だよなぁ。ま、いっけどね。で、何の用だ?」


「えっと、龍人がラルフにバイトの斡旋を頼んでるとかで。一緒にやろうって誘われたんですけど、何のバイトを押し付ける予定ですか?」


ラルフは大仰な身振りで、あり得ないという風に手を振る。


「おいおい。押し付けるってのは言い過ぎだぞ?俺だって普通にバイトの斡旋位出来るぞ。ま、今回はバイトの斡旋はしないんだがな。」


「え?じゃあ、バイトは無しでいいですか?」


「半分正解かな。龍人には魔法協会支部のギルドへの紹介状を渡すつもりだ。ま、紹介状が無くても入れるんだが、あった方が面倒な試験が全てパスだからな。魔法協会ギルドで、リハビリも兼ねろってトコだ。遼にも紹介状を書いてやろっか?」


「んー。まぁ、じゃあお願いします。」


「ん?なんか歯切れが悪いな。」


「ギルドって危険な依頼があるって聞いた事があるので…。」


「あー。それは大丈夫だ!そもそも、危険な依頼はランクの高い依頼に分類されっから。最初は低ランクの依頼しかないからな。ま、いい小遣い稼ぎになる程度の気持ちで良いんじゃないか?」


「そんなもんですかね。じゃ、取り敢えずお願いします。」


遼はイマイチ浮かない顔をしているが、ある程度は納得したようだ。


「はいよー。明日持って行ってやるから、それまで待ってろ。じゃ、俺はソロソロ読書すっから。また明日な。」


バルクはヒラヒラ手を出すと、机から本を取り出す。

遼は数秒、その本を見てしまう。しかし、ここで突っ込むとろくな事にならないのは見えているので、敢えてスルー。


「じゃあ、よろしくお願いします。」


遼は軽く頭を下げると、職員室を後にした。



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